SEKAI NO OWARI、“ドラゲナイ”以降どう支持を広げた? 「ブレーメン」までの活動を追う

“ドラゲナイ”以降のSEKAI NO OWARI

 先日1月11日に、SEKAI NO OWARIが動物殺処分ゼロプロジェクト「ブレーメン」の一環として、ライブで実際に使用したステージセットや私物のギターなどをヤフオク!に出品した(参考:http://reu.auctions.yahoo.co.jp/project?id=1057)。落札金額は、寄付時に発生する各銀行振込手数料を除いた全額が認定NPO法人<ピースウィンズ・ジャパン>に「ブレーメン」プロジェクトを介して寄付される。

 2017年最初のこのアクションは、とてもSEKAI NO OWARIらしい内容であった。これまでも、彼らは、楽曲やそれ以外の活動ひとつひとつに、自分たちの意志や問題意識を明確に反映させてきた。支持を得ることで、バンドの“思想”を実際に“行動”に移すーーそれが、SEKAI NO OWARIの近年の活動に顕著な点ではないだろうか。

 SEKAI NO OWARIが大きく飛躍したきっかけは2015年。7枚目のシングル表題曲「Dragon Night」から派生した「ドラゲナイ」というワードが流行したことにより、これまでの主なファン層であった音楽好きの10代、20代だけでなく、老若男女の幅広い世代にまでその名前を広く浸透させることに成功した。

 「Dragon Night」はJOYSOUNDの2015年上半期カラオケランキングで1位となり、同曲が収録されたアルバム『Tree』は48万枚以上の売り上げを記録。数多くいる若手ロックバンドとは一線を画する存在であることは、誰もが認めるところだろう。

 そんな「Dragon Night」以降、SEKAI NO OWARIはとても戦略的にシングルをリリースしており、そこには常になにかしらの意図があり、必然性が存在する。それは「Dragon Night」のリリース以降というよりも、彼らが高い知名度を得て以降という意味合いのほうが強いため、ここではあえて「ドラゲナイ以降」と表現したい(『DragonNight』のリリースが2014年10月であるのに対し、「ドラゲナイ」というワードがバズったのは2015年に入ってからと、数カ月の時差がある)。「ドラゲナイ以降」の彼らは、高い知名度を上手に利用しながら、さらに音楽活動の幅を拡げ続けている。

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