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欅坂46が初ワンマンで示した「坂を登り続ける」覚悟

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 欅坂46と、その関連グループに当たる「けやき坂46(ひらがなけやき)」の両方を兼任する唯一のメンバー長濱ねる。長濱をセンターに据えた「乗り遅れたバス」は、<ごめん 一人だけ遅れたみたい><夢はどこかで繋がるのだろう>と、ほかのメンバーに比べて遅れてグループに加入した長濱の立ち位置を表した楽曲だ。「乗り遅れたバス」歌唱後、長濱のソロ曲「また会ってください」、長濱を含めた12名のけやき坂46での「ひらがなけやき」の3曲が立て続けに披露された。長濱が1人歌うところに、後ろから残り11名のけやき坂46メンバーがステージに登場する情景は、長濱とけやき坂46のこれまでを物語っているかのようであった。けやき坂46は欅坂46に比べて圧倒的にライブ経験数が少ない。本編終盤では、3rdシングル収録の「誰よりも高く跳べ!」が披露されたが、一人ひとりに設けられたソロダンスや屈託のない笑顔には、これからグループが向かう未来への希望が見えた気がした。

 ここまで本編16曲。一切シングル表題曲は披露していない。結果的に本編ラストに「二人セゾン」「世界には愛しかない」「サイレントマジョリティー」の順でパフォーマンスしたわけだが、メンバー一人ひとりが持つ気迫はもちろんのこと、大会場ならではの演出方法にも驚いた。「二人セゾン」では曲の序盤にメンバー全員で形作る大きな2つの輪がステージに映え、大サビのステージ前方へ前進するシーンでは惚れ惚れするほどの美しさを覚えた。全員で同じパフォーマンスを踊るフォーメーションダンスの良さは大きな会場であればあるほど真価を発揮することに気づく。「世界には愛しかない」では、アリーナ全体を囲んだ花道にメンバー全員が散らばり、大きなスペースを使用しパフォーマンスを行うことに成功していた。これは「世界には愛しかない」のMVで北海道の大草原を大胆に使いパフォーマンスをしている映像を彷彿とさせる。

「大人からの抑圧に対抗する自我の芽生え」というテーマが繋ぐデビュー曲「サイレントマジョリティー」では、メンバーが横一列に並び、一人平手が拳を高々と掲げて前へ進む。モーセが海を割り紅海を渡る様に、そして『民衆を導く自由の女神』の絵の様に。誰もが何度も見たであろう情景が、凄みを増してカタルシスとして押し寄せる。何よりも会場に溢れんばかりの熱気がグループのパフォーマンスを讃えていた。それを受けてか、曲の終了後、カメラに抜かれた平手が一瞬安堵したような笑みを浮かべていたのが印象的だった。

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 アンコールでは、メンバーを代表して菅井友香がここまでに抱いていた不安や、見守ってくれたファン、スタッフ、家族への感謝を告げ涙ぐむ一幕も。菅井の涙がメンバーにも波及する中、ダンスにおいてリーダーシップを執る齋藤冬優花も口を開く。「あまりダンスのことばかり言うのはよくないかなと思ってたけど、メンバーやファンの方に『ありがとう』と言ってもらえて、自分のやってたことは間違いじゃなかったのかなと感じられるようになった」。この言葉を聞きながら、カメラに映るメンバーの一人ひとりが、覚悟に満ちた輝き溢れた表情をしていたのが忘れられない。

  そんなメンバーの決意が込められているのがアンコールに披露された新曲「W-KEYAKIZAKAの歌」。ブラスバンドサウンドから成るこの曲は、欅坂46とけやき坂46をあわせたメンバー32名で歌われる初の楽曲だ。当サイトでのインタビュー(http://realsound.jp/2016/12/post-10694_3.html)にて、佐藤詩織が曲振りについて「『サイレントマジョリティー』での何かしら一部をどんどん受け継いで、次の振りに入れてくださっていて」と答えていたが、この曲の最後には「サイレントマジョリティー」の最後の振り付けがそのまま当てられており、歌い続けていくのだという意思を感じさせる。そして、曲中の歌詞ではこう歌われている。<One day ある日 僕のまわりには 同じ目をしたみんながいた 生きることに不器用な仲間 一緒に歩いて行こう>。

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 欅坂46は、有明コロシアムでの初ワンマンライブという一つの挑戦を成し遂げた。グループの支柱であるコンセプトを華麗に演出しながら、最後に垣間見せたのはライブにかけるメンバーの思い、気迫に満ちた表情だった。紅白への出場も果たし、ある種の頂点の一つを極めたグループから「ここからまたスタートする」という思いを感じたのは、メンバー全員が覚悟を決めた顔つきでステージに立っていたから。そして、「私たちは坂を登り続ける」という言葉を確信に変える、頭抜けたパフォーマンスをまざまざと見せつけられたからだ。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

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11.乗り遅れたバス
12.また会ってください
13.ひらがなけやき
14.僕たちの戦争
15.手を繋いで帰ろうか
16.誰よりも高く跳べ!
17.二人セゾン
18.世界には愛しかない
19.サイレントマジョリティー

EN20.W-KEYAKIZAKAの歌

      

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