JKT48 仲川遥香、5周年コンサートで卒業セレモニー 自叙伝「ガパパ!」も出版に

 インドネシアを拠点として活動するJKT48において、グループの中心的存在であり続けた仲川遥香。12月17日、インドネシア・ジャワ島西部にある都市バンドンで彼女の卒業セレモニーとJKT48 デビュー5周年記念コンサートが開催された。

 

 仲川は2012年8月にAKB48から移籍し、約半年間でインドネシア語をマスター。インドネシアで20本以上のCMに出演し「インドネシアのCM女王」にまで上り詰め、まさに「インドネシアで一番有名な日本人」として君臨している。JKT48の5周年記念コンサートのタイトルは『B・E・L・I・E・V・E』で、タイトル通りJKT48のメンバーが目指している夢を、5年間応援してくれたファンと共有し、絆を深めるイベントとなった。ジャカルタから車で数時間離れたバンドンには3,000人以上のファンが集まり、コンサートではこれまでの5年間を「doubt(疑い)」「struggle & tears(もがきと涙)」「happiness & love(幸せと愛)」「challenge(挑戦)」「dreams(夢)」の各テーマで演出するなど、総勢68人のJKT48メンバーがパフォーマンスを繰り広げた。

 

 5周年記念コンサートは、最新シングル曲「最高かよ」で幕開け。HKT48の楽曲であり、曲中の「合いの手」が特徴的な1曲だが、もちろんインドネシア語でも現地ファンらは大声で「合いの手」をしていた。コンサートでは他にも「JKT フェスティバル」や「RIVER」などの人気曲で会場を盛り上げていた。JKT48は夏に来日した際、『AKBSHOW』(NHK総合)に出演し「RIVER」を披露。そのダイナミックなパフォーマンスに日本の視聴者を唸らせたが、今回のコンサートでもダイナミックなパフォーマンスに現地ファンは大いに盛り上がった。コンサート中盤では、同じくAKB48から移籍した近野莉菜によるインドネシアの大衆音楽「ダンドゥット」に続き、メンバーによる JKT48バンドの演奏や「前しか向かねえ」「未来の扉」など、仲川の卒業にふさわしい曲が続いた。

 

 アンコールでは仲川遥香の卒業をテーマに、仲川の思い出の楽曲が並んだ。仲川がジャカルタに来て初めて選抜入りした「ごめんね、SUMMER」から始まり、「大声ダイヤモンド」などを披露。アンコール終盤に近づくと“黄色のひまわりのドレス”に包まれた仲川の登場とともに「夢の河」のイントロが流れ、「ついにこの時が来てしまった」と感じた会場からは悲鳴が上がった。仲川もメインで歌うサビでは、感情が高まり声を詰まらせてしまうシーンも見られた。最後に、仲川から感謝の手紙が読まれると、卒業の定番曲「桜の花びらたち」が披露。仲川は3期生中心で構成されたチームTのキャプテンを2015年8月から2016年11月まで務めて、引っ張ってきた。最初はどうなるかと思われたチームTも仲川のリーダーシップで現在では立派に成長した。持前の明るさでメンバーとも流暢なインドネシア語でのコミュニケーションをしていた。AKB48での経験を踏まえてチームTだけでなくJKT48全体もけん引。多くのメンバーに影響を与えてきた、まさにJKT48の功労者の1人である仲川がJKT48を去ることにメンバーもファンも、今までの思い出がたくさん蘇り、会場は感極まり、大きな声援が上がった。悲しい気持ちのままでは終わらせたくないということから、最後は仲川が初めてセンターポジションを務め、インドネシアでは「おにぎり」でなく「カメハメハ」でお馴染みの「恋するフォーチュンクッキー」、そして万国共通で盛り上がる「ヘビーローテーション」で会場が一体となってイベントのフィナーレを迎えた。

 

 最後に仲川は「JKT48も5周年、大きくなりましたね!みんなが成長していく中、私も JKT48 のメンバーと一緒に成長できたかと思います。自分で来ようと決めて来た場所で、そして 1 番大好きなメンバーと卒業セレモニーができたこと、本当に嬉しく思います。10 年間諦めずにやってきてよかった!メンバーもファンの皆さんも私の家族です。ジャカルタに来れてよかった。大好きな場所です」とコメント。AKB48グループに10年在籍した仲川はアイドルグループJKT48発展への貢献だけでなく、日本とインドネシアの架け橋にもなっており、インドネシアで日本のポップカルチャーを定着させた「クールジャパンの立役者」でもあった。

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