『Mステスーパーライブ』ジャニーズの“層の厚さ”! グループ個性を貫いた8組のパフォーマンス
12月23日にオンエアされた『MUSIC STATION SUPER LIVE 2016』(テレビ朝日系)は、豪華アーティストが集結し、年末らしい盛り上がりをみせた。ジャニーズ勢からは、なんと8組が登場。あらためて、層の厚さを感じた一夜となった。彼らのパフォーマンスを振り返りながら、各グループの放つ輝きについて考察したい。
嵐、グループ愛に溢れるステージで魅了
「Daylight」「迷宮ラブソング」「I seek」のスペシャルメドレーを披露した嵐は、まさに今の嵐を表すライブだった。1人ひとりの見せ場を持ちながら、5人の美しいフォーメーションで魅了する「Daylight」は、ソロで多方面に活躍しながらも、5人集まればさらにお互いの良さが引き出される関係性を示唆しているよう。
そんな大人の魅力を放つと、「迷宮ラブソング」のイントロが流れる中、松本潤が「ハッピーバースデー! DEAR相葉くん!」とシャウト。12月24日が誕生日の相葉雅紀をステージでお祝いするのだった。相葉を指差してカメラアピールをする大野智に、「ありがとー」と返す相葉もうれしそう。その屈託のない笑顔に、見ているこちらまで幸せな気持ちになる。するとカメラは、逆サイドではしゃぐ櫻井翔と二宮和也をキャッチ。それぞれのイニシャルから(櫻井=S、二宮=N)、“磁石コンビ”とファンの中で呼ばれているが、この日はまさに磁石のようにくっつき、客席近くで歩調を合わせて練り歩く。その息の合ったふざけっぷりが笑いを誘った。そして再びメインステージに戻ると「I seek」を伸びやかに歌い上げ、5人で肩を組んで締める。グループの絆が垣間見える嵐らしいステージだった。
とにかく楽しい!が伝わってきたジャニーズWESTとSexy Zone
若手2グループのパフォーマンスは、弾けるような本人たちの笑顔が印象的だった。7人でのデビューをメンバー自ら社長に直談判したエピソードを持つジャニーズWESTは、このメンバーでこの大きな舞台に立っていること、そのものに喜びを爆発させているようだった。そして楽曲は「人生は素晴らしい」ときた。自分たちが望んだ夢を叶えた彼らだからこそ、弾ける笑顔で歌える曲だ。チームとしての一体感はどのグループにも負けない、そんな意気込みが伝わってくるようだった。
一方、Sexy Zoneもグループ内のユニット体制などが複雑化していた時期を乗り越え、今年は5人体制が定着。全員にキメ台詞がある「Sexy Summerに雪が降る」をフレッシュに歌いきった。歌う側も、応援する側も、今のグループが好きだという気持ちで満たされた時間だった。ちなみに、フリートークでは中島健人が、ジャニースWESTの中間淳太に誕生日プレゼントとして砂時計を送った話が披露された。砂時計をチョイスした理由を「未来に向かってこれからも幸せな砂をこぼしてくださいねってことで」と、相変わらずのラブホリ王子節。さらに、クリスマスの思い出として、マリウス葉が「スイスの別荘に……」とリアル王子っぷりを発揮すると、菊池風磨が「とんでもねーグループなんです」とフォローを入れる微笑ましい展開も。2017年も、この2グループのワチャワチャぶりに期待したい。
表現の幅を広げるキスマイ&JUMP
Kis-My-Ft2は「Gravity」と「Thank youじゃん!」のメドレーを披露。過酷なロケや格差いじりなど、アイドルらしからぬ活躍が話題にのぼるKis-My-Ft2だが、ライブともなればJr.時代から続くオラオラな一面が楽しめる。そのギャップが実にいい。「Gravity」は、進化するキスマイのカッコよさが凝縮したような1曲。藤ヶ谷太輔の低音ボイスラップが心地よく響き、Sっ気たっぷりな表情でファンをドキドキさせてくれる。対して、「Thank youじゃん!」はデビュー後に身につけたキスマイのかわいらしさが開花している。キャッチーで覚えやすい歌詞と振り付け、間奏では北山宏光が宮田俊哉を捕まえてPPAPの振りをするなど思わずキュンとする場面も。どんなニーズにも応えていくキスマイのマルチな可能性を感じた。
Hey! Say! JUMPが歌ったのは、切なくメロディアスな楽曲「Give Me Love」だ。これまで、ふわふわキュートなイメージが強かったJUMP。だが、山田涼介の繊細な歌声を主体にして、透明感のあるコーラス、そして9人という人数を活かしたダンスは見応え充分。ビジュアルのキュートさからポジティブな曲が多い印象だが、「瞳のスクリーン」や「Your Seed」などを見ても、クールな雰囲気の楽曲との相性がいい。今後、年齢を重ねていくうちに、さらに大人なバラードをドラマチックに歌い上げるグループに成長していってくれるだろう。
歌声の直球勝負を挑んだNEWS
NEWSは情緒たっぷりに「恋を知らない君へ」を熱唱。歌い出しの増田貴久は、今にも泣き出してしまうのではないかと思うほど、胸に迫るものがあった。小山慶一郎はニュースキャスターに、加藤シゲアキが小説家に、増田貴久はコンサート衣装のプロデュースを手がけるようになり、手越祐也がスポーツやバラエティで大活躍。各自が突き抜けることで、NEWSという円グラフの面積がどんどん大きくなるように、グループとしての懐が深くなっていったように感じる。そんな充実した2016年を印象づけるような歌いっぷりだった。