『二人セゾン』リリースインタビュー

欅坂46 小池美波&齋藤冬優花&佐藤詩織が振り返る、フロント抜擢の衝撃と激動の2016年

 

「あのまま3列目にいたらわからなかった感情をたくさん感じた」(佐藤)

ーー今回皆さんはそれぞれ、目にわかる形で大きなチャンスをもらった。ここで成果を残すことは、今3列目に入るメンバーのチャンスにもつながると思います。それにしても欅坂46のように、毎回ここまでフロントがガラッと変わるグループも珍しいですね。

佐藤:私は今、あのまま3列目にいたらわからなかった感情をたくさん感じていて。1列目で前に出続けることってこんなに大変なことなんだなっていうことや、常にベストコンディションを保ってなければいけないこと、まず最初に見られることとか、いろいろプレッシャーもあって。それに気づいたとき、3列目にいた以前の自分はいろいろ甘えてたなと思ったんです。なので今回私たちがちゃんとこの役割を果たして、ほかのメンバーも前に行って同じ感情を味わって、全員がフロントを経験することでグループ全体の成長につながったらすごくいいんじゃないかというのを最近感じました。

ーー確かに全員がフロントを経験できたら、本当に強いグループになると思います。では皆さん、個性という点ではどうですか? グループ結成から1年ちょっと経ちましたが、そろそろ自分の役割や強みが、少しずつ見えてきた時期なのかなと思うんですが?

齋藤:私は強みというのが実はないんですけど、今回3rdシングルでフロントに選ばれたときにスタッフさんからなんで自分がこのポジションになったのかを聞いたことがあって。そのときに「今までは後ろからメンバーをまとめていたけど、今回は前からみんなをまとめて、前から見た景色をどう思うかを知ってほしい」と言われて、強みとは違うかもしれないけど、私がグループの中にいる役割ってこういうことなのかなと感じることができたんです。なので、これからも全体を見て動いていきたいし、そこをもっと伸ばしていきたい。今、選抜メンバーは21人いて、21人いるとみんながまとまらなかったり目が行き届かなかったりすることもあるんですけど、それじゃいけないし、ちゃんとまとまった状態で外に出ていけるように少しでもその力になれたらいいなと。そうすることで自分も少しずつ成長していけるのかなと思います。

ーー全体を俯瞰で見ることができたり、いろんなポジションから見ることたできたりすると、考え方も変わりますものね。

齋藤:そうですね。でも正直、1列目にいると後ろのメンバーの踊りが見えなくて、そこは動画を見て確認するしかないんですけど、それも大事なのかなと思って。それに私が3列目にいなくなって事細かに言えなくなったことで、今度はほかの3列目の子が言ってくれるようになったんです。例えば上村莉菜が率先してほかのメンバーに「ここは揃えよう」とか「ここは列を合わせよう」とか言ってるのを見ると、すごく頼もしかったです。

佐藤詩織

「私って笑っていたほうがいいのかな?」(小池)

ーー自分の成長にもつながるし、人を育てることにもつながると。佐藤さんはどうですか?

佐藤:私、今まで自分の強みを聞かれたときは美術と答えていて。今、現役で美大にも通っているので、絵を活かしていつかグッズのデザインをして、ファンの方の手元に残るものを作れたらいいなと思っていたんです。実際、現役で美大に通っているアイドルさんもあまりいないと思うので、そこは強みとして頑張っていけたらいいなと思うんですけど。でも最近1列目に来て思うようになったのは、パフォーマンス力をもっと上げたいなということ。ダンスや歌を完璧にできるようになりたいと、強く思うようになりました。でもそれは強みじゃないですよね(笑)。

ーーこれから自分やグループの強みにしたいということですよね。

佐藤:はい。可愛さだけじゃなくてすごくカッコ良く踊れたら、もっといいものになるんじゃないかと思って。ダンスで引っ張っていってくれるメンバーにはふーちゃん(齋藤)もいるので、みんなでそこを目指して成長していけたら、グループとしての強みにもなっていくんじゃないかと思います。

ーーなるほど。では小池さんは?

小池:私は自分の強みがわからないし、これといったものが何もなくて。別に絵がめっちゃできるわけでもないし、ダンスや歌が上手ってわけでもないんですけど、握手会でファンの方からは「みーちゃんの笑顔が本当にいい」と言っていただけるんです。今回の「二人セゾン」ではみんな笑顔で踊っていたりとか、曲の出だしで原田葵と一緒に、上手と下手からバーっと走ってくる振りがあるんですけど、そこも笑顔でやっていて。そういうことが理由で私は今このポジションに置かれているのかなと思うようになってからは、ちょっと考え方が変わってきたんです。

ーーそれはどういうふうに?

小池:私は今まで自分の笑顔が好きじゃなくて、鏡や写真も大嫌いだったんです(笑)。むしろ笑いたくなくて、あえて控えめに笑うようにしてたんですけど、そうしたら一度本当に笑えなくなっちゃったことがあって。でも、ファンの方の「みーちゃんの笑顔は本当にいいから」という言葉を耳にしてから「私って笑っていたほうがいいのかな?」と思って、ファンの方はそういうふうに思ってくれてるんだなと気づいたんです。それからは、最近メンバーと話してるときも自然と笑顔になることも増えてきて、人工的な笑顔が減りました(笑)。だから、今はそれが強みなのかなと思います。

ーー小池さんはこの雰囲気を含めて、すでに個性になってるという印象がありますよ。

小池:そうなんですか?

佐藤:うん、そう思う。それに、みーちゃんみたいにほんわかしてるメンバーって、欅にあんまりいないから。

齋藤:カワイイと一言で表せるメンバーがね。みんな笑顔が苦手だったりするし。

佐藤:カッコいいほうが得意とかね。

齋藤:だから、平手をみーちゃんと葵がはさみ込むフロントには、そういう意味があるのかなって、私たち自身も感じていて。2人は今回の曲にすごく合っているし、最初のAメロでの2人の笑顔も曲にすごくぴったりだし。絶対に活かしていったほうがいい。笑顔は大事だよ(笑)。

小池:うん(笑)。

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