渡部優衣が語る、“声優が歌う”理由「キャラクターを前に進めるために、私自身も大きくならなきゃ」

渡部優衣が語る、“声優が歌う”理由

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選曲会議にも参加した『夢のキセキ』楽曲について

ーー今回のシングルについては、選曲会議にも参加されていたということですが。

渡部:そうなんです! アルバムの時は頂いた曲を歌わせてもらうという形だったのですが、今回は選曲会から参加しまして。40曲近くあるデモ音源をたくさん聴いて、候補を絞らせていただきました。表題曲に関しては、その中から最終的にはスタッフさんへ委ねています。

ーーそこで、最後に残ったのが藤永龍太郎さん(Elements Garden)の曲だったと。

渡部:エレガさんらしい、かっこいい曲だと思いました。次へと進んでいく渡部優衣を表現するには恰好の曲なんじゃないかとスタッフさんとも話していたのですが、レコーディングにすごく苦戦して……。

ーーどんな部分が大変でしたか?

渡部:Aメロの歌い出しがすごく低いところから始まるのですが、Bメロで上がって、サビで思いっきり高音になり、また下がったりと、音の行き来が大変でした。

ーーその大変さをどのようにして乗り切ったのでしょうか。

渡部:「上手く歌おう」と思い過ぎないようにしました。音程を意識すればするほど中途半端な音取りになっちゃっていたので、気持ちをバーン! とぶつけるように、思い切って歌うことを心がけたら上手くいきました。

ーーちなみにレコーディングは、バンド編成で行なった1stライブの後だったりするのでしょうか。ロック調の楽曲なのに、声が負けていないし、前作よりも力強くなっている印象を受けたのですが。

渡部:1stライブより後ですね。インストアイベントや自宅での練習はカラオケ音源だったので、1stライブでいざバンドさんと合わせるとなったときは、あまりにも迫力がすごくて、「生の音の力ってこんなに凄いんだ」と圧倒されましたから。その経験があって、「音の力をもっと届けられるようになりたい」と思っていたので、力強いと感じてもらえたのは嬉しいです!

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ーー作品自体もメジャー1stシングルということで、アルバムとはまた違った気持ちで制作に臨みましたか?

渡部:アルバムだと、11曲の中に色んな私を詰め込むことができたのですが、次は3曲で渡部優衣らしさを表現しなければいけないんだという部分は強く意識しましたね。

ーー「夢のキセキ」「FUN FUN LOVE」「Days」と、テイストはそれぞれ変えながら、今回は「歌」で渡部優衣さんをどう伝えるかというラインナップに感じました。表題曲と「FUN FUN LOVE」に関しては、これまでもタッグを組んできたハラユカ。さんが作詞を手がけていますね。

渡部:ハラユカ。さんとは、1度お会いしてお話をしたあとで「Brightest story」「スキがあふれて止まらない!」を書いていただいたんです。そんなに長い時間話したわけでもないのに、私の性格や思い、過去のことまでが丁寧に汲み取られた歌詞になっていて、すごくおどろきました。今回の「夢のキセキ」も同じで、私が普段ファンの方に伝えたいけど、照れ臭くて言葉にはできない思いを形にしてくださって。「こんなに私、見透かされているんだ!」と驚きつつ、本当にありがたいなと思いました。

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ーーカップリングの「FUN FUN LOVE」は、こちらもエレガ楽曲(母里治樹が作曲を担当)です。

渡部:この曲は、選曲会で私が選ばせていただいた最終候補の曲なんです。Aメロ→Bメロ→Cメロの流れが個人的にすごく大好きで。実際にいただいた歌詞をはめてみると、女の子の可愛い一面や素直さが表現されていて、素敵だなと感じました。「夢のキセキ」に比べて、「FUN FUN LOVE」の方はあまり言葉そのものが飾られていないというか。まっすぐ突きつけてくる様な印象があったので、そのあたりは意識してレコーディングに臨みました。普段はあまり身振り手振りしながら歌わないんですけど、手を広げて歌ったりして(笑)。

ーーなるほど、そんな熱量の高さが楽曲に反映されていたわけですね。

渡部:でも、リズムをはめるのが難しかったり、サビは途中でメロを一部変更したところがあったので、それに対応するのに苦戦したりもしました。あとはファルセットでいくのかどうかという判断も、スタッフさんと相談しながら進めていきました。

ーー通常盤のみに収録される3曲目「Days」は、前作『FUN FAN VOX』では「Say La La La」を手がけ、渡部さんの出演作品『アイドルマスター ミリオンライブ!』の楽曲でもおなじみのKOHさんが作ったものですね。

渡部:こちらも選曲会で選ばせていただいた曲で。心にスッと入ってジワっと広がるというか、音がファンタジーのような感じなのですが、サビはストレートに言葉をぶつけていて力強い楽曲に仕上がっているんです。3曲ともストレートに気持ちをぶつけているという意味では、「夢のキセキ」「FUN FUN LOVE」を踏まえての「Days」なのかなと思いました。

ーー音の高低差は少ないものの、音数とリズムが少し難しいのではないかと感じたのですが。

渡部:大変でしたね。聴いている分にはそんなに難しく感じなかったんですけど、いざ歌ってみると符割りが結構難しくて。特にサビの<変えられるはずなの>という部分は、1番と2番で文字数も違ったりしたので、その歌い分けも含めてすごく大変でした。

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