XOXはボーイズグループ界の“パンク”を目指す 仕掛け人による戦略とグローバルな音楽性を分析

 

XOXはボーイズグループ・シーンにとっての“パンク”になれるか

 ビヨンセやカニエらの諸作に加えて、ディプロとスクリレックスによるユニット=JACK Ü (ジャック・ユー)らと親交を深め、15年の『パーパス』でトロピカル・ハウスなどを導入したジャスティン・ビーバーや、ザ・ウィークエンド、フランク・オーシャン直系のオルタナティヴなR&BとDTMのエディット感覚を融合させる元ワン・ダイレクションのゼインらを筆頭にしたジャンル/カルチャー横断的なアーティストの活躍によって、現在のポップ・シーンには“ポップであることが最も実験的”という雰囲気が生まれている。XOXの音楽性もまた、そうしたポップ・カルチャーならではの魅力を伝えてくれるものだ。

「そもそも、僕の学生時代を考えても、ファッションに興味を持っている子たちの間では、共通の話題として自然に音楽が存在していました。音楽がただの音楽だけではない、カルチャーになっていたというか。そういうものを作りたいという気持ちはありますね。たとえば日本の90年代の音楽には、J-POPにも刺激的なものが多かったじゃないですか?」(丸本)

「たとえば安室奈美恵にとってのジャネット・ジャクソンであるとか、J-POPと洋楽の親和性が高かった時代。その頃のように、どんな背景があってこの音楽が出来ているのかという批評性を持ち込みたいという思いもあります。たとえば、SMAPはハイコンテクストなアーティストや作家の曲を起用しボーイズグループとしてひとつのポジションを作ったと思いますが、僕らも理想としてはそれに近くて、確信犯的にやっていることも含めて楽しんでほしい。XOXをきっかけに洋楽を知ってくれてもいいし、一時期クラブでモー娘の『LOVEマシーン』がかかったみたいに、逆にDJの現場でもかけてくれたりしたら嬉しいし。今、色んな音楽の距離がクロース化していく中で、ボーイズグループのトレンドの最先端としてXOXがいられたらいいと思うんですよ。ドメスティックなアイドル・ソングでもないし、ダンスに特化している訳でもない、所謂これまでの規制概念を壊すという意味で、僕はXOXはボーイズグループ・シーンにおけるパンクだと思っているんです(笑)」(薮下)

「リスナーの中には知識から入るのではなく純粋に音を楽しんでくれている子も多いので、ライブでは僕らが用意した文脈とはまったく違うノリ方になっていたりと、面白いカルチャーが生まれはじめている雰囲気も感じています。対バンもボーイズグループだけではなくて、音楽的に繋がれる人たちともやりたいと思っていますね」(丸本)

 12月23日にはZepp Divercity(東京)でのワンマンライブ『XOX COLLECTION 2016 Autumn/Winter』の開催も控えるXOX。<カレカノジョ/全部アリだCOLOR/行きたい 行こうよ/あの場所へ>と宣言するメジャー・デビュー曲「XXX」の雰囲気そのまま、様々なリスナーを巻き込んで原宿から刺激的なカルチャーを発信する彼らの今後に注目したい。

(取材・文=杉山仁)

■リリース情報
『Skylight』
発売日:11月2日(水)

初回生産限定盤A(CD+DVD、写真集)
¥2,778+税
<DISC 1>
Skylight
THE MUSIC
Skylight(instrumental)

<DISC 2>
Skylight-Music Video-

初回生産限定盤B
¥926+税
<DISC 1>
Skylight
ダイジョーブ
Skylight(instrumental)

通常盤
¥926+税
初回仕様:メンバー別ピクチャーレーベル(ランダム5種)
<DISC 1>
Skylight
THE MUSIC
Skylight(instrumental)

■ライブ情報
『XOX COLLECTION 2016 Autumn/Winter』
2016年12月23日(金・祝)Zepp DiverCity(東京)
開場 16:00/開演 17:00

<チケット>
1F立見:5,000円(税込)
※ドリンク代別
※当日、来場者を対象に抽選で50名様にプレゼントあり

■関連リンク
XOX オフィシャルウェブサイト

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