ニューロティカ・クラウドファンディング第2弾インタビュー
ニューロティカ&bambooが考える、老舗バンドこそクラウドファンディングを使うべき理由
「クラウドファンディングは『信用の前借り』」(bamboo)
――bambooさんは今後クラウドファンディングが音楽シーンにおいてどのように活用されると考えますか?
bamboo:販売の仕組み、チケットについてもその機能は適用できるかなと。販売の窓口が、プレイガイドの他に1つ増えるぐらいの感覚で、ちょっと特殊な通販サイトとして活用できたら面白そうです。金額をかけてリターンの多いチケットを買った人がいるおかげで、普通の立ち見のチケットが安くなるということもできるでしょうし、本人確認も容易だと思うので。
――ニューロティカの皆さんはこれからもクラウドファンディングを継続して使っていこうという目論見はありますか。
NABO:内容によるよね。俺らの中では、通常のCD制作やライブ活動以外じゃないと使いたくない。
KATARU:今まで自分たちでやってきたことだから、そこをクラウドファンディングにしちゃったら「なんで今までやっていたのにできないの?」と疑問に思われて当然ですからね。
bamboo:「面白そうだから乗ってみよう」と思えるものが前提ですよね。「小林幸子さんばりの衣装を作って、あっちゃんに着させたい!」とか、そういう振り切ったのがいいんじゃないですか(笑)。
KATARU:面白い! それはアリだね(笑)。
bamboo:真面目な話をすると、僕がいちファンの目で見て、適正か否かは毎回判断してるので大丈夫です(笑)。それをクリアして、自分はキュレーターとして関わっているわけですから。
NABO:そうそう。厳正な審査をくぐり抜けているわけですよ。
bamboo:うちの会社や僕の周りにはニューロティカファンが沢山いて、『ニューロティカの老後を裏で考える会』という“ゼーレ”のような有識者会議が行われて、初めて世に出るのです(笑)。すごい若作りしてるように見えますけど、もう結構なお年のメンバーですから、僕らファンは、解散せずに長生きして続けて欲しい。そのために何ができるかというと、ライブに行ったりアルバムを買うこともそうだし、クラウドファンディングで金銭的に支えることも同じだと思うんですよ。だから僕は、一ファンとしても、そういうやり方を強く推したいし、気にくわない人はその商品が一般で流通してから定価で買ってもらえればいいと考えています。
それに、クラウドファンディングは「信用の前借り」ですからね。バンドとしての信用を賭けてるんですよ。それをちゃんとプロジェクトだったり、普段の活動で返さないといけないわけで。
――何をするにしても、初めにまず「意味」がありきですよね。
bamboo:そうです。老舗のインディーズバンドだから出来ることもあるけど。僕らには若さとお金がない(笑)。でも信用や人脈はあるから、そのバンドのパーソナルな部分やパフォーマンスに価値を感じてくれる人がいて、こうやって継続できているんだと思います。だからこそ、全員が全員にやってほしいというわけではなくて、あくまでひとつの選択肢として使っていくべきじゃないかなという考え方なので。
(取材・文=中村拓海/写真=竹内洋平)