3rdミニアルバム『Brand New MAID』インタビュー
BAND-MAIDが明かす、“ギャップのある音楽”を作り続ける理由「バンドとして“世界征服”したい!」
「誰もハードロックを通ってない」(MIKU)
ーー皆さん、音楽的にはどういう影響を受けてきたんですか?
MIKU: 5、6歳の頃、おばあちゃんが演歌好きで一緒に演歌教室に連れていってもらってたんですけど、そのときに「歌うことって楽しいな」と初めて気づいて。最初に覚えたのが天童よしみさんの曲だったんです(笑)。で、そこからいろいろ音楽を聴くようになり、椎名林檎さんや東京事変さんを好きになって、バンドに興味を持つようになりました。
SAIKI:私が歌を始めたのは安室奈美恵さんを観たのがきっかけ。そこからボイトレに通うようになって。バンドに興味はあったんですけど、この子(MIKU)みたいに誰かを集めるという能力がなかったので、ずっとひとりで歌ってたんです。
KANAMI:私はもともとクラシックピアノを小さい頃からずっとやっていて。そこから高校でコピーバンドを組んで歌ったのをきっかけに、その延長でシンガーソングライターを目指したんです。その頃からサンタナとかラリー・カールトンといったギタリストが好きだったので、ずっとリードギターをやりたいって思いがあって。BAND-MAIDに入ってからは絶賛ロックを勉強中です。
AKANE:私は幼稚園の頃からピアノを習っていて、中学高校では吹奏楽部でトローンボーンをやっていました。あるとき自分の中で急にバンドブームが訪れて、最初はギターを買ってバンドを始めたんですけど、マキシマム ザ ホルモンに出会ったのが転機で。最初は音だけ聴いてメンバー全員男性だと思ってたら、ライブを観て「あ、女性が叩いてたんだ!」ってナヲさんに衝撃を受けたんです。そこからドラムにハマって、現在に至ります。
MISA:私は幼少期から母の影響で、ずっと昔の洋楽を聴いていて。ピアノとかトランペットとかやっていたんですけど、中学に入ってからギター、高校2年生でベースを始めたんです。そこからずっとバンドをやっていたんですけど、解散したタイミングでBAND-MAIDの話をもらって。好きなのはスマッシング・パンプキンズとかグランジ系ですね。
ーーそんなバラバラな個性の5人が集まると、この音になるんですね。
MIKU:誰もハードロックを通ってない。
SAIKI:みんなが知らない音楽にたどり着いたという(笑)。
ーーそこが面白いんですよ、BAND-MAIDって。しかもどんどんハードな方向に進んでますからね。
MIKU:もっとファッションと音楽にギャップを出していきたいというのが自分たちの中にあって、その差を突き詰めていったらどんどんハードな音になっちゃったんです。
「『Thrill(スリル)』はこのスタイルに導いてくれた出会いの曲」(SAIKI)
ーーBAND-MAIDのサウンドは最初のミニアルバム(2014年1月発売の1stミニアルバム『MAID IN JAPAN』)の時点ではポップな曲も含まれていて、もうちょっと幅広い印象でしたが?
MIKU:最初は「カッコいい」の中にもJ-ROCKだったりハードロックだったりメタルだったりいろいろあるよねって話になって、だったらそれを全部試してみようとして。
ーーそれが前作『New Beginning』(2015年11月発売の2ndミニアルバム)でのヘヴィ路線で、個性が確立されたと。
SAIKI:確かにそういう1枚だったと思います。前作にも入ってる「Thrill(スリル)」はこのスタイルに導いてくれた、出会いの曲だったかな。
MIKU:今の方向性を決めた、大きい存在ですね。
ーーこの曲のミュージックビデオは海外からの反響も大きかったんですよね。
MIKU:はい。BAND-MAIDは結成時から海外に対する意識はあったんですけど、MVを公開して半年後に「Jrock Radio」っていう海外のFacebookページで紹介していただいたのをきっかけに、急に海外からの反応が増えて。自分たちでもビックリでした。
SAIKI:よく取り上げてくれたなって思うんです。どうやって見つけたんだろう?って。あのページを運営している人には感謝してます。
AKANE:ひたすら感謝です。
ーー今年の3月に初の海外お給仕を、アメリカ『Sakura-Con』で実施。現地のリアクションはいかがでしたか?
MIKU:思ってた以上に良くて。
SAIKI:もっとアウェイなのかと思ってたよね。ネットの中だけでの盛り上がりで、実際にはそんなに私たちのことを待ってないんじゃないかって思いもあったんですけど、ステージに上がった瞬間にすごく温かい声援をくれて。
MIKU:コール&レスポンスにしても100%で返してくれるし。
AKANE:日本じゃまだ感じたことない波動をね(笑)。
MISA:ただただ「すごい!」の一言でした。
MIKU:改めて海外でもっとやっていきたいなって思うきっかけにもなりました。