山下智久、NEWSら手掛ける作詞家zopp、小説出版イベントで“仕事術”明かす「成功すること以上に、後進を育てることが大事」

 修二と彰「青春アミーゴ」や、山下智久「抱いてセニョリータ」など、数々のヒット曲を手掛ける作詞家・zoppが、小説『ソングス・アンド・リリックス』を1月15日に刊行し、同日夜に発売記念トークイベントを秋葉原の書泉ブックタワーにて行なった。

 会場は金曜日夜にもかかわらず盛況で、登場したzoppは開口一番「やる直前まで気づかなかったけど、今日は『ミュージックステーション』にNEWSが出るんですよね。みなさん家で見ていると……」と、この日の客入りを心配していたことを明かし、観客の笑いを誘った。続けてzoppは「作詞家って謎めいた職業に感じませんか? 作詞家と名乗っている方の8割5分くらいは作詞以外の仕事で生計を立てている。僕はなんとか1割5分のほうにいて、作詞だけで生計を立てさせていただいております」と作詞家の現状を告白。「自分が若かった頃、作詞家という職業を18歳まで知らなかった。若い方のほとんどは秋元康さん以外思いつかないでしょう」と、作詞家の知名度が低下している状況について語った。

 また、zoppは小説で「作詞家が作詞家について書く」というテーマを掲げた理由について「作詞家って、アーティストや放送作家など、みんな何かをしながらやっているイメージがあると思うんです」と前置き。続けて「専業作詞家側の意見としては『“ながら”でできるもの』と思ってほしくなくて、だからこそ自分が『作詞家として小説を書く』という“ながら返し”をしたかった」と、作詞家全体の地位を向上させるために取り組んだものであることを説明した。

 イベント中盤では、zoppが作詞家として歩んできたキャリアを紐解き、自身の目標を「小さい子が『将来何になりたいですか?』と言われて8位か9位にランクインするくらいの職業にしたい」と告白。自身が開催している作詞家養成講座『作詞クラブ』については、「どうやって作詞をし、どこで仕事をもらうかを教えるなど、作詞家になれる道を作れると思った。『作詞クラブ』はもう24期生を迎え、生徒も続々とデビューしていて嬉しい限りです」と後進の活躍を喜び、「僕としては、作詞家として成功すること以上に、後進を育てることが大事。教える人がいないと、業界全体が枯れてしまう気がするから」と、1990年代に一度低迷した作詞家業界を再度盛り上げていくための決意を語った。

関連記事