“小室転調”誕生のきっかけは渡辺美里「My Revolution」? 亀田誠治とGLAYがインパクトの重要性を語る
転調 ~てんこ盛り!~
番組中盤では、転調の名曲としてSPEED「my graduation」、Mr.Children「名もなき詩」、篠原涼子 with t.komuro「愛しさと切なさと心強さと」を紹介。亀田は突然の転調がもたらすインパクトの大きさや、J-POPに転調を多用する傾向は小室哲哉がもたらしたものだと話した。そして、今や多くの曲に見られる転調を亀田は「小室転調」と呼び、実際に「愛しさと切なさと心強さと」の転調なし、転調ありバージョンを演奏し、インパクトの違いを立証。ここで亀田は転調について「ボーカリストの力強さをキープするための手法のひとつで、曲の景色が変わることでインパクトが生まれる」と解説した。
亀田の説明が終わると、番組にはVTRで小室が出演。小室は当時の状況について「テレビの主題歌などの制作時、プロデューサーなどから『インパクトをちょうだい』とお願いされていた」と背景を明かし、続けて「『こう転調したら驚くんじゃないか』という観点から曲作りをしていた。渡辺美里の『My Revolution』が転調誕生の瞬間だった」ことを告白した。小室はVTRの最後に「驚き→感動→思い出」というプロセスを曲が歩むように制作を行なっていると述べた。
番組後半では、亀田がGLAYの「誘惑」について“イントロのドラム”“イントロのギター”“Aメロのメロディー連打”“ハイトーンボイス”“ピッキング・ハーモニクス”“転調”と、6つの要素を挙げながら「インパクト要素がたくさん盛り込まれている」と説明。同曲はインパクトを残すための足し算の時代において、その集大成のような楽曲であったことを語り、GLAYと亀田は「誘惑」を演奏した。
最後に、亀田は1994年~99年について「インパクトを競い合う戦国時代であり、テクニックの開発競争がなされていた」と語り、TAKUROは「J-POPが独自の進化を遂げた時代だった」とコメントした。J-POPにおいてのハイトーンボイスと、転調の重要性について明かされた今回の放送。次回はRIP SLYMEをゲストに迎え、『J-POP文明開化~楽園へようこそ~』をオンエアする予定だ。
(文=向原康太)