乃木坂46キャプテン・桜井玲香が2015年を振り返る
乃木坂46桜井玲香が語る“怒涛の2015年”と“期待の2016年”「戦わなきゃいけない相手が増える」
外側に進むぶん、戦う相手も増える
──2015年の乃木坂46を振り返ると、1月に1stアルバム『透明な色』、12月にはミュージックビデオ集『ALL MV COLLECTION~あの時の彼女たち~』をリリース、7月にはドキュメンタリー映画『悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46』が公開され、先日も『乃木坂46物語』という書籍が発売されたばかり。結成からの4年間を総括するフェーズに入ったような気がします。
桜井:デビューから2015年大晦日の紅白出演まで、ワンパックでまとまった感じですよね。本当は私、年明けに初のアルバムを出して、そこで第一章の区切りが付きました、2015年からはまた次の章がスタートするんだと思ってたんです。でもその予定が年末まで延びちゃって。だから正直、この先がすごく怖いんですよね。どうなっていくのかな、どうしていけばいいのかなって。バースデーライブも延期になっちゃいましたし。
──でも前向きに考えれば、これまでと違ったことができるっていう見方もできますよね。2016年は例年通りの既定路線をなぞらずに、新しい見せ方ができるんじゃないかと。
桜井:確かに。実際初期の頃から比べたら、確実に道は変わってきますもんね。2015年は『16人のプリンシパル』がお休みで、その代わりに新しい舞台があったし。
──そうですよね。8月には結成5年を迎えるわけですし、変化するには絶好のタイミングだと思いますよ。
桜井:そうですね。2016年はアイドルって枠組みの外側に、さらに進出するような気もしますし。でも世界は広がるけど、そのぶん戦わなきゃいけない相手が一気に増えるわけで。
──女優やモデルといったジャンルで、アイドルとしてその世界の本職の人たちと戦わなければならないわけで、そこの難しさはありますよね。
桜井:はい。でもメンバーみんな「乃木坂46はいろんなジャンルで輝く子たちが集まったグループになりたいね」と思ってるし、そこは今後の大きな課題なので、長い目で見たいと思ってます。
──確かに以前と比べると、外の世界で戦っていける子がどんどん増えてますよね?
桜井:ですね。私自身「こんなにいたんだ!」って驚いてます。(齋藤)飛鳥なんて最近では「神に選ばれし美少女」と言われているのに、そんな子と私は5年間普通に接してたのかって。
──そんな可能性を秘めたメンバーはまだまだいるんじゃないかと思うんです。以前はメディアに出る機会の多かった子にしか目を向けられなかったのが、他のメンバーにまで目が行き届くチャンスを得たわけですから。
桜井:そういう意味でもグループをもっと大きくしなくちゃなとも思うんです。グループとしてより注目を集めて、その中からさらに個人にも目を向けてもらうためにも。
紅白後の反応がちょっと怖い
──今ではコンビニの雑誌コーナーに行くと、乃木坂46のメンバーが表紙になっている雑誌が並んでいることも多くなってます。
桜井:そうそう。本当に気まずくなっちゃうぐらい並んでいて、無駄に下を向いちゃうみたいな(笑)。
──世間から求められるという意味でも、この1年で大きく変わりましたよね。
桜井:本当ですね。ここまでは想像もしてなかったし。
──でも、紅白に出場するグループになるということは、それぐらい周りから求められることだと思うんです。
桜井:だから、紅白はちょっと怖いんですよね。
──怖い?
桜井:どういう反応をされるのかなって。どうなるんだろう……私、全然想像つかないんですよね。いい方向に進むんじゃないかっていう期待もあるし、何も起きずに通り過ぎていってしまう気もするし。正直ドキドキなんですよね。いや、強気でいきますけど。
──桜井さんはかなり早い段階から紅白という言葉を口にしてましたよね。振り返ると2014年夏には、インタビューで紅白の話題をしていて。
桜井:確かに。でも、ちょっと紅白を舐めてた感じもありますよね、「行けるんじゃないかな」って。今考えるととんでもないことだと思うし、2014年は本当に出られなくてよかったと思ってます。2014年に出られてたら、きっと無駄にしてたと思う。いい方向には進んでたとしても、自分たちにとってはそのチャンスを100%生かしきれないまま初出場を終えてたのかなって。だから2015年でよかったと思います。
──2014年は周りが騒ぎ立てて期待したぶん、なんとなくその気になってたところもあったのかなと思うんです。
桜井:そうですね。だから2014年に落選を知らされたときに悔しくなって、「ああ、自分たち紅白に出たいんだ」って初めて気付けたんです。だからすべてはつながってるんだなって、改めて実感できました。
──紅白出場までが1つのストーリーとしてつながっていたし、2015年は紅白でキレイに締めくくれる。だからこそ、この先が怖いと。
桜井:怖いだけじゃなくて、きっと良い1年になるんじゃないかなっていう期待もあるんですよ。ただ、そこで自分たちがどういう変化をしていくのかが、まったく想像付かなくて。
──急激に変わるというよりも少しずつ変化して、気が付いたら1年後に違う場所にいたということはあるかもしれませんよね。そういう意味では攻めの1年になるんじゃないのかなと。
桜井:攻められますかね?
──と思いますよ。もっと強気に行ける1年になるといいんじゃないかなと思ってるんですけど。
桜井:そうですね。気持ち攻めるぐらいで(笑)。
──「気持ち」ですか(笑)。
桜井:あんまりがっつり攻めすぎると、乃木坂っぽくなくなっちゃうから。
──そういう控えめなところは、結成時から変わりませんよね。確かにギラギラして攻めるようなグループではないですし。
桜井:そうなってないから、今があるんで。本当に決めにいかなきゃいけないときはちょっと攻めて、あとは今までどおり、仲間を大事にしながらのんびりやっていけたらなと思ってます。