吉井和哉『KAZUYA YOSHII BEGINNING & THE END』

吉井和哉、恒例の年末武道館でソロ活動を総括? ファンリクエストを取り入れた楽曲披露も

 

 アンコールでは吉井が黒のジャケットに身を包みステージに戻り、「武道館、一緒に歌いましょう!」を合図に「トブヨウニ」からライブを再開。さらに曲間なく続けざまに、AOR調にアレンジされた「SWEET CANDY RAIN」や「BLACK COCK'S HORSE」を立て続けに披露し、大人の雰囲気を作り上げた。かと思うと「ノーパン」のように“吉井和哉の真骨頂”と言わんばかりのディープなナンバーも飛び出す。吉井はここまでまったくパワーダウンすることなく、今年10月で50歳とは思えないほど圧倒的な歌声を聴かせ続けた。

 

 もはや年末ライブ佳境の定番曲といえる「FINAL COUNTDOWN」では、吉井は「皆さん、一番いい年の越し方は、恨みや憎しみを持ち越さないことです!」と観客に呼びかけ、一緒に両腕を交互に挙げて踊りまくる。さらに曲間では吉井による冗談混じりのメンバー紹介も飛び出し、会場は笑顔に包まれた。そしてジュリアンのエキゾチックなギターをフィーチャーしたリクエスト上位曲「血潮」では会場のすべての明かりが付き、盛り上がりはピークに到達。最後の最後に再びセッションプレイヤー3名をステージに迎えると、「吉井和哉がソロになったときにやりたかった音楽が、少しやれたのかな?」という言葉に続いてリクエスト1位に選ばれた「MY FOOLISH HEART」をじっくり聴かせて、約3時間にわたる年末ライブを締めくくった。

 2014年の年末武道館ライブでは当時リリースされたばかりのカバーアルバム『ヨシー・ファンク Jr. 〜此レガ原点!!〜』のナンバーが中心だったが、2015年はTHE YELLOW MONKEY時代の楽曲を排除した、ソロ活動の総括と呼べるような選曲と演奏で観客を圧倒させた吉井和哉。2014年のレーベル移籍以降、精力的な活動が続く彼が50歳になる2016年にどのような音楽を届けてくれるのか、非常に楽しみでならない。

(文=西廣智一/撮影=有賀幹夫)

吉井和哉『KAZUYA YOSHII BEGINNING & THE END』日本武道館 セットリスト
M1. 恋の花
M2. PHOENIX
M3. I WANT YOU I NEED YOU
M4. 欲望
M5. SIDE BY SIDE
M6. CALL ME
M7. BLOWN UP CHILDREN
M8. 朝日楼(朝日のあたる家)
M9. シュレッダー
M10. TALI
M11. 魔法使いジェニー
M12. MUSIC
M13. 点描のしくみ
M14. (Everybody is) Like a Starlight
M15. FLOWER
M16. 雨雲

<アンコール>
M17. トブヨウニ
M18. SWEET CANDY RAIN
M19. BLACK COCK'S HORSE
M20. ノーパン
M21. HEARTS
M22. FINAL COUNTDOWN
M23. 血潮
M24. MY FOOLISH HEART

吉井和哉オフィシャルサイト

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