太田省一『ジャニーズとテレビ史』第九回:2015年ジャニーズ冠番組

嵐、SMAP、TOKIO、関ジャ二、セクゾ……2015年にジャニーズグループが冠番組で見せた「成熟」と「成長」

 来年は、すでに自分たちがメインの番組を持つジャニーズWESTやジャニーズJr.、さらにタッキー&翼、NEWSなど他のグループもこうした状況に加わってくることを期待するが、そこでちょっと注目したいと思っているのがSexy Zoneだ。

 この12月に入って『Momm!!』(TBSテレビ系)や『PON!』(日本テレビ系)にゲストとして登場した彼ら5人を見て、グループがいい具合に固まってきているのを感じた。MCの中居正広やビビる大木の手腕もあったが、松島聡やマリウス葉が年齢も重ねて自分のキャラをより自然に発揮できるようになり、中島健人、菊池風磨もそれぞれ自己主張しつつ、年上らしく他のメンバーをさりげなくフォローしている。センターである佐藤勝利も大人びた雰囲気の魅力を併せ持ち始めた。

 アイドルグループの「旬」とは、メンバーの「成長」と「成熟」のバランスがとれ、化学反応が起きている状態のことではないだろうか。それはキャリアの長さとは関係ない。だからひとつのグループの「旬」も一度とは限らない。その何度か訪れる「旬」の瞬間に立ち会えることが、ジャニーズに限らずアイドルグループを見守り、応援する最大の喜びのひとつだろう。現在のSexy Zoneも、そんな「旬」の状態に近づいているように私には思えた。彼らの新たな冠番組を今のタイミングでぜひとも見てみたいものだ。

■太田省一
1960年生まれ。社会学者。テレビとその周辺(アイドル、お笑いなど)に関することが現在の主な執筆テーマ。著書に『中居正広という生き方』『社会は笑う・増補版』(以上、青弓社)、『紅白歌合戦と日本人』『アイドル進化論』(以上、筑摩書房)。WEBRONZAにて「ネット動画の風景」を連載中。

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