Kis-My-Ft2と『キスマイBUSAIKU!?』が持つ新しさと可能性 グループは今後どう変化していく?
続けて太田氏は、グループ全体に親しみやすさが生まれたこと、光る個性を見つけたことも同番組の功績だと述べた。
「また、グループ全体として“メンバーの素を出していく”うえで必要なバラエティ力が、2012年4月4日から2012年9月26日に放送されていた『濱キス』(テレビ朝日系)などから一貫して培われてきた結果、例えば藤ヶ谷太輔だとワイルドでクールに、玉森裕太は優しいソフトな対応、横尾は料理の才能、千賀はメンバーから“女子力”と言われる気遣い、二階堂は場を仕切る能力、宮田は普段のオタクキャラとたまに見せる二枚目な一面のギャップなど、それぞれが個性を打ち出すことに成功しました。そして『キスマイBUSAIKU!?』では毎回のテーマによって、その個性とかみ合うかどうかで順位がどんどん変化します。イケメンキャラであるメンバーですら最下位になることが起こっていて、個々がよりお茶の間に親しまれやすくなるような役割を果たしていることも同番組の功績だと考えられます」
最後に同氏は、『キスマイBUSAIKU!?』が今後のグループ、ジャニーズ史にもたらす可能性について、こう語った。
「これまでは“前列・後列”などをタブーにするのではなく、積極的に活用することで良い結果が生まれていましたが、最近はするめさんに扮した中居から『北山君もブサイクなんですよね』というフリがあるなど、またひとつ物語が進展しそうな気配です。大きな方向性としては、今後は全員が同列に立ってそれぞれの個性を発揮できるように持っていき、SMAPや嵐のようなグループになっていくようなストーリーも期待ができますね。舞祭組の4人も含めて、演技や歌、ダンス、あるいはMCなど、それぞれがさらに新しい個性を見つけて発揮していく段階になるのが理想のような気がします。例えば、演技面では今のところ藤ヶ谷や玉森の活動が目立ちますが、北山も『家族狩り』や『サイレーン』などでうまく脇役的ポジションをこなして、“ジャニーズだから”という価値観にとらわれない、老若男女に親しまれる方向性を見せているように、すでにそうした次の段階になりつつあると思うので、今後全員がどのように変化していくか楽しみですね」
Kis-My-Ft2は個々をどのように打ち出し、今後グループとしてどのように成長していくのか。中堅に差し掛かるキャリアを前に、派生グループを含む今後の展開に注目したい。
(文=向原康太)