さやわかの『Billboard Japan Hot100』チャート分析

西野カナ新曲のヒットに見る、平松愛理・さだまさしからの系譜とは?

 さて、チャートイン2回目の曲としてはサカナクション「新宝島」なんかもありまして、これは映画「バクマン。」の公開に伴ってラジオ等でのオンエアが急激に伸びた結果16位に登場しております。映画自体も好評のようで、その感想に添えるような形で楽曲へのTwitterでの言及も増えております。来週はCD販売数なども明らかになるのでもうちょっとチャートは上昇するかなといったところであります。かく言う筆者も映画エンディングで「新宝島」を聞いていたら米米CLUBの往年の名曲「Shake Hip!」を思い出してしまったなどとTwitterに書きましたところ、サカナクションファンとおぼしき皆さんから「全然似てないし! パクリじゃないし!」などと必要以上に防衛的な口調で言及されるに至り、むしろ世の中には「楽曲が似てる」とか「パクリ」とかいうことに敏感すぎる人々が多いのだなあと興味深く感じた次第であります。誰もが「思い出すね、面白いね、どっちもいい曲だね」くらいのことを言って笑って過ごせる、平和な世界の到来が待たれる限りです。

■さやわか
ライター、物語評論家。『クイック・ジャパン』『ユリイカ』などで執筆。『朝日新聞』『ゲームラボ』などで連載中。単著に『僕たちのゲーム史』『AKB商法とは何だったのか』『一〇年代文化論』がある。Twitter

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