姫乃たま『潜行 ~地下アイドルの人に言えない生活』発売記念
寺嶋由芙×姫乃たまが語る、それぞれのアイドル活動 寺嶋「ファンには幸せになってほしい」
「自分のファンには人として幸せになってほしい」(寺嶋)
姫乃:グッズ制作とか、自分でやりたくならないんですか?
寺嶋:いや、センスがないから。やりたいという気持ちもないから、信頼できる人にお任せ。私がつくるダサいものじゃなく、ちゃんとしたのをヲタクに着せてあげたい(笑)。
姫乃:わかる! じゃあ雑誌に載ったりしたときに、ロゴが気に食わないとか、キャプションが気に食わないとか、そういうのもない?
寺嶋:全然ない。
姫乃:うう、私いちいち気にしちゃう。それならメジャーの方がいいですよね。
寺嶋:いやいや(笑)。文章のニュアンスとかはすごい気になるよ。言ってないことが書かれてることもあるから。でもソロになってからは、チェックさせてもらえるようになって心配なくなったな。
姫乃:なるほど。ち、ちなみに私がインディーズからメジャーになる時に、一番気になるのは、ギャラの取り分が減っちゃうことなんだけど……。
寺嶋:私はあんまりそこ気にしてない! いま自分がいくら貯金してるのかもわからないし(笑)。ダメだよね?
姫乃:ひょあああ、私なんか円単位で把握してるのに!
寺嶋:(笑)。何かを選ぶとか決断することが苦手なの。だから信頼できるスタッフさんに全部任せたいんだよね。
姫乃:いやもう私はとことん全部計算しますよ。原価から何から、関係者のマージンまで……!
寺嶋:それはインディーズに向いてると思う!(笑)。
姫乃:でも、これが確かに事務所に入れなくてメジャーになれない大きな理由のひとつだと思うんだよねぇ……。
寺嶋:それだけ色々できるんだったら、全然いいと思う。私はそれが変な心労になってしまうんだよ。あと私は“接触”が大好きなんだけど、そこでのトラブルで悩んじゃうアイドルさんも多いよね。
姫乃:ああ、めちゃくちゃ多い。
寺嶋:ファンが説教厨、みたいなのも。
姫乃:説教厨! 由芙ちゃんの周りにはいる?
寺嶋:いないなぁ。

姫乃:うちにもいない。でも説教厨って遍在してるのに、お互い奇跡的だね。
寺嶋:うん、私もあまりにもファンに恵まれているから、ふと「あのヲタクは元気かなぁ」とか考えちゃうし、自分のファンには人として幸せになってほしいし。
姫乃:でも結婚されると、そこそこ傷つくんだよね。
寺嶋:それそれ! 私のヲタク同士はまだないと思うんだけど。
姫乃:えっ! ヲタク同士とかすんごい傷つく……(笑)。
寺嶋:うち、カップルは何組か誕生してるよ! そうやってみんな私を置いていくのね……なんて寂しくもなるけど(笑)。楽しそうにしてくれるのは嬉しいよね。あと、ひとりで活動してたヲタクが、現場で声をかけてもらって友達の輪に入った瞬間は嬉しい!
姫乃:わかる! ああ改めて、地下からこんなにクリーンに上がっていく子って由芙ちゃんしかいないよなぁ。
寺嶋:昔もいまも本当に、ステージに出られること自体がとても嬉しいよ。その気持ちを忘れずにやっていきたい。
姫乃:じーん。
寺嶋:当時の人がいまもきてくれていたりするんだ。
姫乃:それ、とても嬉しいよね〜。
寺嶋:そう。姫乃ちゃんのことも推している人。
姫乃:私たち、たまに推しがかぶってるんだよね。ほんとうに不思議!

(続きは書籍で)
■出版概要
『潜行 ~地下アイドルの人に言えない生活』
著者:姫乃たま
版元:サイゾー
発売日:9月22日
価格:1400円(税抜)
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