NEWSはなぜ活動ペースが「ゆっくり」なのか CDやコンサートに表れたこだわりから探る
NEWSが強いこだわりを持つ理由
では、なぜNEWSたちは作品ひとつ一つに時間をかけるのだろうか。2015年9月号『Myojo』に掲載された手越祐也の10000字インタビューに、こんなことが書いてある。
(『チャンカパーナ』のリリースにあたり、早く新曲をリリースしたかった加藤シゲアキと、時間がかかっても完璧なものを作りたかった増田の意見が対立したことを受けて)「(僕は)増田派ですね。僕はカッコ悪いところや弱みを人前で見せたくないんですね。それはもう本能的な感覚として。だから、人前で泣くのもキライ。それと同じ理由で、中途半端なものをファンに見せるのも嫌なんです。“人数が減ったから、これくらいの楽曲しかできないんだ”って思われるのは絶対にイヤだった。だから、納得できる作品ができるまではリリースしたくないって部分は、増田といっしょでしたね」
2011年に錦戸亮と山下智久の脱退があり、4人になったNEWS。一時期は、解散か?とまで言われていたが、小山 慶一郎・加藤シゲアキ・増田貴久・手越祐也の4人は、NEWSを残すことを考えていた。しかし、NEWS存続のために早く新曲をリリースしたかった加藤と、4人でも完成度の高い作品を作れると示したかった手越・増田、中立を保つ小山とでぶつかったこともあったようだ。そこで加藤の自宅に4人で集まり、夜通し話し合いを決行。「ひとつ一つ丁寧にこだわった作品を作っていこう」という意見にまとまったそうだ。そのため、NEWSは今もなお1作品1作品をパーフェクトな状態で発表するスタイルを崩していない。
ジャニーズグループには、個性を活かした「ジャニーズ内でのグループの立ち位置」的なものがあると考える。学校のクラスで例えると分かりやすいかもしれない。優等生で何でも出来るのが「嵐」、賑やかで悪ふざけもするが面白くて憎めないのが「関ジャニ∞」、ちょっと悪そうだけど実は面白いのが「KAT-TUN」、ちょっとクールで何でもそつなくこなすのが「Kis-My-Ft2」、勉強はあまりできないけど体育の時間に輝くのが「A.B.C-Z」……といったところだろうか。そう考えると、NEWSは“クラスの隅っこにいるあまり目立たないグループ”ではないだろうか。はじめは気にならなかったのに、知れば知るほど彼らが抱える熱い思いや新しい発見があり、どんどんハマっていく、からだ。現に今ではその魅力が世間に認知され、小山はキャスター、加藤は小説家、増田はドラマ・ファッション・食の仕事、手越はバラエティーなど、各々の得意分野で花を咲かせている。そんな4人だからこそ、NEWSはついつい応援したくなるグループなのではないだろうか。
(文=高橋梓)