『Music Factory Tokyo』スペシャルインタビュー
「プロデューサーで聴くという文化がもっと根付いてほしい」小田桐ゆうきが目指す“筋の通った”作家とは?
DEEPとは「作家とアーティスト」以上の繋がりを感じている
――現在メインで使用している機材を教えてください。
小田桐:DAWは『Cubase』のままで、ソフト音源は色々と揃えていて、ハードはモジュールにRolandの『INTEGRA-7』を、鍵盤にYAMAHA『MOTIF XF』の88鍵を使っています。あと、『Triton-rack』はまだそのまま残っていますね。
――『Triton-rack』を継続して使っている理由は?
小田桐:最近のソフトシンセだとハイファイになりすぎるんですが、『Triton-rack』は良い意味でチープな音色を出してくれて、それが自分の出したいR&B的な音と綺麗にハマるんです。結構前になりますがファレル・ウイリアムスとチャド・ヒューゴのザ・ネプチューンズというユニットの楽曲に、Tritonのプリセットをそのまま使っているトラックがあったりするなど、愛用しているミュージシャンが多いことも特徴ですね。
――レトロっぽさはやはりハードから出る音色で大きく変わりますよね。
小田桐:最近は国内外含めて90'sテイストの楽曲が流行していることもあり、改めてその音を出そうとしたときに、やっぱりその時代のハードは一番再現性が高いんです。
――いまルーツなどをお伺いして、改めてクレジットを見ると、一番小田桐さんの個性が出ているのはDEEPの楽曲なのかもしれませんね。
小田桐:僕も本当に、DEEPとの仕事は好きで。ちなみに、僕もDEEPのメンバーと同じく『EXILE VOCAL BATTLE AUDITION 2006 ~ASIAN DREAM~』を受けていたんですよ。二次審査で落ちたんですけど。そのときに一緒だったので「作家とアーティスト」以上の繋がりを感じています。あと、音楽の好みも似通っていて、ボーイズ・II・メンが好きという点もフィーリングが合いました。
(後編【「メロディラインは、歌詞とリンクしながら感情の起伏をハッキリと表す部分」 小田桐ゆうきの“歌い手に寄り添う”作曲法とは?】へ続く)
(取材・文=中村拓海/写真=下屋敷和文)