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1stフルアルバム『SUNRISE JOURNEY』インタビュー

GLIM SPANKYが見据える、世界進出の見取り図「『こういう音もメジャーになれる』ということを証明したい」

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「ブルースやブラックミュージックのリズムが『ノレる』ものだと思っていました」(亀本)

――あえてヘビーなサウンドにしているということですが、曲作りの際に、決まっている制作手法は?

松尾:私が歌詞と短い弾き語りデモを作って、亀本と一緒にブラッシュアップしていきます。あとはギターコードだけ、たとえば「#D、#A、#C」というコードを出して、私は勝手に曲を作り、亀本はリフを考えて、お互いに出来たところで合体させるという方法もありますね。

――その二つの手法はどう使い分けているのでしょうか。

亀本:メジャーに入ってからは、後者の方が多くなったかもしれません。時間制限のあるなかで同時進行していって、歌がある程度形になってきたら、自分の中で「こんな歌なんだろうな」と想像で作っていたものと照らし合わせて、色付けをしていくんです。そこから何度かやり取りしながらオケを構築し、次の曲を作り始めて…という流れが出来上がっていますね。歌詞も後でどんどん変わっていく場合があります。

――デビューミニアルバムの表題曲「焦燥」は、松尾さんが高校生の時に書いた楽曲ですが、改めてアルバムに収録されるにあたって、この曲をどう見つめ直したのですか?

松尾:この曲を作ったとき、私は美術系の大学を志望していました。でも、地元がとても田舎だったので、そんなことを言う人はいなくて。たまたま生徒会をやっていたので、街の役員さんや地元企業の社長さんと交流する機会があって、そこで自分の夢を語ることになりました。美術の話もしない田舎で「音楽で食べていく」とは言えなかったので「美術の大学に入って…」と伝えたのですが、ドッ、と笑いが起きて。その中には子供を育てる側の人間――会社のお偉いさんや小学校の先生、図書館の司書さんもいたのに、そんな人たちが若者の夢を笑うなんて、許せないと思いました。世の中には絵や音楽でご飯を食べている人が当たり前にいるのに、なんて失礼なことだと。だから「こういう心を閉ざした大人たちに届く曲を書かなければ」という気持ちで書いたのが「焦燥」で、そのメッセージ性の根幹は当時とは変わらないです。ただ、サウンドやアレンジ面はどうしても高校生の書いたものなので、今発表するにあたって、大幅に変えました。だから一度弾き語りベースのところまで壊して、プロデューサーのいしわたり淳治さんと一緒にリアレンジしました。

亀本:デビューミニアルバムの中で、淳治さんには「MIDNIGHT CIRCUS」と「焦燥」をプロデュースしていただいたのですが、「こんな風になっちゃうんだ」とか「バンドのアレンジってこういうことができるのか」と勉強させていただく機会がたくさんありました。しかも、淳治さんは無理矢理引っ張って行くタイプでもなく、僕らから何かが出てくるまでずっと付きっ切りで一緒にいてくれるので、部活の居残り練習みたいな感じで大変でしたが、その分良いものは生み出せたと思います。

――それ以外にも、亀田誠治さんや、ハマ・オカモト(OKAMOTO’S)さん、BOBOさんなど、一流の手練たちを迎えて制作を行いましたが、彼らとのセッションで得たものは?

松尾:亀田さんと一緒にやって思ったのは、「あれだけ活躍されている有名人が、自分たちよりもロックキッズなんだ」ということ。だから変に細かくアレンジして元のものを壊したりせず、ピンポイントで少しキャッチーにしてくれるんです。それを見ていて「ここを変えればキャッチーになるんだ」というポイントを学べましたし、いつまで経ってもそういう人でいたいなと思えるようになりました。

亀本:あと、いくら雑誌に「○○さんは上手い」って書いてあっても、なかなか人間って体感しないとわかりませんよね。その技術や基準を体感値で経験できたのは、自分の成長にすごく繋がったと思います。

――アルバムにはインディーズ時代からのロックナンバーのほかに、ポップな楽曲も多く収録されています。GLIM SPANKYという枠組みのなかで、“ロックさ”“ポップさ”をどう見せていこうとしているのでしょうか。

松尾:全て“ロック”という枠組みの中で、ポップスやフォーク、カントリーをやっている感覚ですね。インディーズの頃はずっと、重い曲をズドーンと表現したかったので、ノレる曲にまったく興味はありませんでした。でも、世間に自分たちの楽曲を出していくなかで、テンポの早いほうが人の心を掴める部分があるのかなと思ったり、「褒めろよ」でドラマの主題歌を書き下ろすにあたって、題材の『太鼓持ちの達人』が面白いものだったので、今までの自分の重くて暗い引き出し以外のところで楽曲を作りたいと思いました。

亀本:以前から「ノレる曲があるといいよね」ということはよく言われていたのですが、僕個人としてはブルースやブラックミュージックのリズムが「ノレる」ものだと思っていましたし、ジミ・ヘンドリックスの「ブードゥー・チャイルド」をノレる曲として捉えていたので、インディー時代の曲に対しても「この曲がダメなの?」と疑問に思っていました。でも、メジャーの舞台で色んなイベントに参加して、イケてるバンドたちの演奏と観客の反応を見て「あ、これが“ノる”ということか、これぐらい張り切る感じか」と実感しました。

――松尾さんはメジャーデビュー以降、アナログフィッシュのゲストボーカルや、CMソングへの起用など、ボーカリストとしてGLIM SPANKY以外でも活躍していますね。これらの経験は自分たちの音楽観に影響を及ぼしましたか?

松尾:ボーカリストとしての変化は、ただ思ったように歌っているだけなので、特に無いかもしれません。ただ、人の曲を歌うのは初めての経験だったので、もちろん感覚的には違う部分はありましたが。自分の曲としてカッコイイ歌を歌うことと、人の曲をカッコよく歌うという感覚は同じなので、思うがままに歌っています。

――では、アルバム自体も歌が前に出ているように感じたのですが、あえてディレクションしたというよりは、松尾さんの歌が強いからこうなったということなのでしょうか。

松尾:もちろん歌を伝えたいので、歌詞が届くものにしたいという気持ちで作っているからだと思うのですが、亀本も「焦燥」や「踊りに行こうぜ」、「MIDNIGHT CIRCUS」では、歌の後ろでガンガンギターリフを弾いているんです。でも、私も「どんな音が入ってこようと、私の歌は潰れてたまるか」と思って歌っているので(笑)、たぶんきっとそのせいなのでしょうね。

亀本:純粋に声に存在感があるのかなと感じています。だから思いっきり弾いても大丈夫ということですね。

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