Galileo Galileiの音楽はなぜアニメと相性が良い? 『台風のノルダ』主題歌で見せた新境地を分析
Galileo Galileiが6月10日にシングル『嵐のあとで』をリリースする。同作の表題曲は、6月5日に公開された映画『台風のノルダ』の主題歌として書き下ろしたものであり、映画・楽曲ともに早くも話題を集めている。
というのも、同映画を手掛けるのは、ショートアニメ『フミコの告白』で第14 回文化庁メディア芸術祭優秀賞他数々の賞を受賞した石田祐康をはじめ、20代を中心とした新進気鋭のクリエイターが集結する、“ネクストジブリ”ことスタジオコロリド。そして、スタジオジブリで『借りぐらしのアリエッティ』『コクリコ坂から』『風立ちぬ』にアニメーターとして参加した新井陽次郎氏の劇場作品監督デビュー作だからである。さらに、アニメ作品と相性の良いGalileo Galileiが主題歌を手掛けているということもファンの期待をあおる要因のひとつだ。
先日、3年ぶりの新作アニメ映画『バケモノの子』の主題歌をMr.Childrenが担当することを発表したばかりの、細田守監督の代表作『サマーウォーズ』とその主題歌である山下達郎「僕らの夏の夢」や、新海誠の監督作『秒速5センチメートル』とその主題歌の山崎まさよし「One more time, One more chance」など、社会現象的なアニメ映画のヒット作には相性の良い主題歌も同時に思い浮かぶ。そしてそれらに続くと目される『台風のノルダ』では、近年ポップシーンで活躍するバンドの中でも特にアニメと相性が良いGalileo Galileiがその境地に挑戦することとなった。先述したアーティストには、一度聴いたら耳から離れない声が特徴として挙げられる。それは個性的な声質ということだけでなく、歌声そのものが持つ力強さが、アニメの壮大な世界観を補完しているとも言えるだろう。そして、数多くの映画音楽を手掛け、世界で活躍する音楽プロデューサー・菅野よう子も惚れ込んだという尾崎雄貴の歌声は、ロックの垣根を越え、先の山下達郎や山崎まさよしらのように、長く聴き継がれるボーカリストになっていくのではないだろうか。
Galileo Galileiとアニメの関わりは、バンドの変遷を振り返るうえでも大きなポイントだ。今回は代表的なケースを紹介しつつ、彼らの音楽性の変化を記してみたい。