嵐『ARASHI BLAST in Hawaii』のコンサート演出に見る、圧倒的なエンターテイメント性とは?

 嵐のハワイツアーの模様を収めたライブDVD&Blu-ray Disc(以下BD)『ARASHI BLAST in Hawaii』を検証するこのシリーズ。振り付けについて検証した前週の記事【嵐『ARASHI BLAST in Hawaii』の振り付けに見る、トップアイドルとしての姿勢】に続き、今週は約8億円の制作費をかけたことでも大きな話題となった、その演出やステージセットを見てみたい。

 Disc1の冒頭、その大掛かりなセットを組む様子から映像は開始する。白を基調としたステージは高さ15〜20m、幅60〜80mくらいはありそうだ。中央には巨大なモニターが据えられ、サイドには5つのサブモニターが取り付けられている。これだけでもかなりの迫力だが、客席には線路が敷かれ、トロッコやムービングステージの準備もされている。これほど大規模なコンサート設営は滅多に見られるものではなく、開始前から嵐というグループのすごさが伝わってくる映像だ。

 いよいよコンサートが始まると、メンバーは黒く塗られた「ARASHI BLAST in Hawaii」仕様のヘリコプターで登場。そしてステージ中央のピラミッドのような階段が真ん中から開き、メンバーがステージへと上がってくる。ステージ上で歌い踊った後は、客席の中央近くまで伸びた花道を歩き、パフォーマンスを披露。さらに5曲目「PIKA★NCHI」では、客席中央のセンターステージがせり上がり、より高い位置で歌い踊る。

 「Love so sweet」では衣装チェンジをして、ハワイの夕日の中、メインステージ上でパフォーマンス。次曲では大野と櫻井が客席から見てステージ左に、相葉と二宮と松本がステージ右に移動。するとステージの端がせり上がり、そのまま客席の周囲をまわるように動き出す。松本が考案し、いまではほかのジャニーズのコンサートでも使用されるという「ムービングステージ」だ。客席の周囲をぐるりとまわった2台のステージは、後方でドッキングし、再び集まったメンバーは5人でのパフォーマンスを存分に披露。その後はさらに、各メンバーがトロッコなどに乗り、客席の間を行き交い、会場を囲むように散り散りになる。そしてメンバーそれぞれがウォーターガンを持ち、客席に向けてシャワーを振らせる。大きな会場でありながらメンバーが次々と移動することによって距離感を近づける演出は、ファンにとって嬉しい限りだ。

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