福山雅治、サザンらの接戦に見る音楽チャートの醍醐味とは? 前週との比較から考察

参考:2015年4月6日~2015年4月12日のCDアルバム週間ランキング(2015年4月20日付)

 チャートの世界には暗黙の了解がある。大物アーティストの発売日はぶつからない。というか、ぶつけられない。「何作品連続初登場1位」という記録を守るため、あるいは大々的に売り出す作品を初登場2位以下にさせないという意地のためにも、さりげなく発売週をズラすのが当たり前。実際どういう談合があるのか私はまったく知らないが、これは「暗黙の了解」であり、同時に「もはやみんなが知っている話だろうと思う。

 面白かったのは先週のチャートだ。サザンオールスターズ、10年ぶりの新作『葡萄』が到着! こんなに大きなトピックのある週に、こっちも新作アルバムを出したろうと考えるレコード会社はまずいない。少なくとも日本のポップシーンに身を置いている限り。

 というわけで、初登場1位、堂々300,277枚のセールスを誇った『葡萄』だが、そこから以下が面白かった。SUPER JUNIOR DONGHAE&EUNHYUK(K-POP)、EXO(K-POP)、OLDCODEX(声優)、04 Limited Sazabys(名古屋のポップパンク)などなど……失礼ながら「誰だよ!」と言いたくなる面々が、1万〜7千枚程度の売り上げでベスト10圏内に出揃っていたのである。ちなみにEXOは韓国語バージョンと中国語バージョンが同時にランクイン。結果「二枚同時発売にもかかわらず、両者オリコントップ10に入る快挙!」と宣伝されてしまうのかもしれないが、なんだかなぁ。サザンのせいというか、おかげというか。

 とにかくK-POPのファンは時流に関係なく熱心なのだと改めて感心した。かつては東方神起ファンだったかもしれないし、もっと遡ればヨン様だったか、それとも2PMから入ったのかもしれないけれど、とにかく一度ハマればどんどん若くてフレッシュなグループへと移行できる。そしてバージョン違いの作品があるなら必ず買うのがK-POPファンの心意気のようである。

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