KAT-TUN『KISS KISS KISS』に漂うアラサーの色気 型破りアイドルの次なる地平とは

 また、初回限定盤2には、シャッフルKAT-TUNという新たなチャレンジ企画も。抽選で決めた田口&中丸、亀梨&上田の2組に分かれて歌っているのだ。アルバムではなく、シングルでこうした挑戦をするのは、あまり多くは聞かない。KAT-TUNは、もともとカップリング曲に定評がある。だからこそ、このようなスペシャル企画をシングルから取り入れていくことができたのではないか。

 しかも、その制作過程を中丸監督のもと、ドキュメンタリー映像として収録されているのだ。中丸は、この作品のために「3日間スタジオにこもった」という力の入れよう。男2人きりで作品に向き合えば、関係性が浮き彫りになってくる。そんな素の表情を捉えているだけに、次回は別の組み合わせも見てみたいという気持ちになる。さらに言えば、コンサートでも披露していただきたいし、ベストアルバムとしてまとめてもいただきたい。もちろん、そのときも中丸監督のドキュメンタリー映像つきで楽しみたい。

 ジャニーズというアイドルの王道を歩いていながらも、どこか型破りなイメージのあるKAT-TUN。そんなヤンチャなスタンスだからこそ、彼らが見せている姿はいつだって嘘のないものだと信じさせてくれる。しかもアラサーとなり、人間としての魅力が内側から出てくる年ごろ。そう考えると、4月から『KAT-TUNの世界一タメになる旅!』がレギュラー化されるのも頷ける。無茶ぶりによって追い込まれ、素の部分をさらけ出してこそ、今の男気あふれるKAT-TUNの魅力が伝わるような気がする。3月22日でデビュー9周年。5月9、10日には東京ドーム公演『KAT-TUN LIVE 2015 in TOKYO DOME』も決まっている彼らの、これからの躍進に期待したい。

(文=佐藤結衣)

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