SMAP、“中居歌い出し曲は大ヒット”のジンクス続く? 新曲で見せた充実の現在地

 SMAPの54thシングル『華麗なる逆襲/ユーモアしちゃうよ』が、2月18日に発売された。「華麗なる逆襲」は、草彅剛主演のドラマ『銭の戦争』の主題歌であり、作詞作曲が椎名林檎によるもの。いずれも注目を集めるポイントではあるが、メンバーが主演するドラマや映画の主題歌となるのは、SMAPともなれば日常茶飯事。有名アーティストによる楽曲提供もこれまでに何度とあり、目新しいものではない。だが、今作にはSMAPの「今」を物語る何かを感じずにはいられない。

 SMAPといえば、言わずもがな国民的スーパーアイドル。もはや、SMAPのすることが日本におけるアイドルの正しい形とさえ感じるほど、彼らの影響力は強い。それだけに、SMAPの楽曲は1988年のデビュー以来、多くの人が歌えるキャッチーなメロディーが中心だったように思える。アルバムやコンサートなどで披露されたソロ曲には個性の強いものもあったが、シングルとして発売されるものは「SHAKE」や「世界に一つだけの花」のように、みんながハッピーになる曲こそSMAPらしい曲とされてきたような気がする。

 そんな音楽性が変わってきたのは2013年ごろ。「シャレオツ」や「Top Of The World」と実験的な楽曲をチャレンジングにリリースしている。2013年といえば、SMAP結成25周年のタイミング。デビュー記念日でもある9月9日には「SMAP×SMAP」にて、それまでに発売されたシングル50曲メドレーをノンストップで40分間歌い通したり、これまでプライベートで交流のなかった5人で旅をするなど、彼らの歴史と絆を再確認するスペシャル企画がめじろ押しだった。この区切りをもって、よりSMAPが新しい一歩を踏み出したというのも納得いく流れかもしれない。

 まず、SMAPほど息の長いアイドルは、他に類を見ない。中居正広(42)、木村拓哉(42)、稲垣吾郎(41)、草彅剛(40)、香取慎吾(38)と、メンバーも立派な働き盛りのミドルエイジ。芸能界でも大御所と言われるキャリアを持つ彼らが、前代未聞のアラフォーアイドルとしての道を開拓しているのだ。若くハツラツとしている爽やかなイメージだけではない、新たな魅力を。それは、彼らの生き方そのものではないだろうか。

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