市川哲史の「すべての音楽はリスナーのもの」第8回

嵐が<崖っぷち>アイドルだった頃(中篇) 市川哲史がグループの“仲の良さ”を読み解く

 嵐を語る際、必ず触れられるネタが「本当になかよし」だ。たしかにそれは事実で、私の中では嵐・BUCK-TICK・GLAYが鉄壁の<なかよし三巨頭>だったりする。

 前述したこの一年半においても、その伝説は尽きない。

 櫻井のソロ・ライヴ。同じくソロ・ツアー中の大野を除く二宮・松本・相葉が観に来たら、「1週間ぐらい逢ってなかったから嬉しくて」ステージ上に呼び40分も祝再会MCに華を咲かせる。しかし終演後、櫻井は母からのメールを受け取った。

<立ち見なんだから、あんまり長く喋られると疲れるね>。

 初日の1ヶ月前に開催決定した、その櫻井と大野のソロ・ライヴ。自分の作業よりも大野が心配な櫻井の<どう?>メールに、大野の返信は<駄目だこりゃ>。そこで櫻井が自分のライヴバンドのアレンジャーの協力を得て、二人で楽曲を作ることを大野に提案すると、瞬速で<やりますやりますやらせてください!!>。そして完成した新曲「俺達のソング」は、櫻井のライヴでは大野が、大野のライヴでは櫻井がビデオ出演してデュエットするという、想像を絶する友情物語を見せつけたのだった。うひょー。

 なお大野のライヴでは、「まだライヴDVD出てないから喜ばれるかなーと思って」5ヶ月前の嵐コンサートにおける他のメンバーのソロ曲が、本物の映像と共に同じ衣裳を着た彼の物真似で披露されている。なかよしにも程がある。

 ちなみに当時、実現しなかったが二宮が企画した相葉のソロ・ライヴは秀逸だった。

「動物ショーでしょ。ものすごく短くて、開演時刻が14:00、14:15、14:30……何やってんの相葉ちゃん!?」

 水族館のアシカショーかよ。

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