「宗像明将の現場批評〜Particular Sight Seeing」第10回 夢みるアドレセンス『輝け!夢アドアワード2014』
2015年アイドル界のブレイク筆頭? 夢みるアドレセンスに加わった“最後のピース”とは
2014年も大詰めであった12月29日に、これほど2015年に向けた大きな期待をファンに贈ることができたアイドルはそうはいないだろう。2014年12月29日に東京国際フォーラム・ホールCで開催された夢みるアドレセンスのワンマン公演「輝け!夢アドアワード2014」はそうしたライヴであった。
会場は3階席まで埋まっており、なかなかの壮観。そしてライヴがスタートすると、「OVERTURE」でそれぞれ四角いライトに囲まれた5人のメンバーが登場した。2014年11月にリリースされたインディーズ・ファースト・アルバム「第一思春期。」のリード曲「ステルス部会25:00」では早くも「盛り上がってるのかー!」と煽る。続く「絶対的シンパシー」は、四つ打ちだがEDMにはならない匙加減が絶妙だ。
そしてこの日の夢みるアドレセンスのライヴで感心したのは、その時点ではまだインディーズでありながらも、メジャーアイドルのようにステージ上のセットがしっかりしていたことだ。前述した四角をモチーフにしたライトは楽曲にあわせて縦横無尽に移動し、そしてステージ自体も3段まであるという構造だ。
そうしたステージをフルに活用するかのように、「はじめての輝き」ではメンバーが段を上って歌う。そして「ハナモモ」では、3段構造のステージに上から1人、2人、2人と立って三角のように広がって歌うのだ。かと思えば、ステージすそに戻ってハート型の大きな風船を持ってきてファンに向けて投げて盛りあげた。ベタのようでいて、あまり見たことがない演出だ。照明も変形してハート型になっていく。
照明や3段ステージなど、力の入った演出に感心していたのだが、もうひとつツボを突かれたところがある。MCで年末年始トークをしたとき「台本があるのでは……いや台本がなくてもかなりメンバーで考えてきたのでは……」というトークの流れを見せたことだ。アイドルの現場では、ダラダラとしたMCを聞くことが多いし、決してそれが悪いわけではないのだが、そのぶんこの日の夢みるアドレセンスのMCは新鮮だった。