Zepp Tokyo『Until The End Tour2014』最終公演レポ
coldrain、ツアーファイナルに3000人熱狂 洋邦を越えた音楽性でラウドロックの新境地へ
coldrainが結成されたのは2007年。ボーカルのMasato、ドラムのKatsumaを中心に、名古屋にて始動した。2004年に結成されたバンド、Pay money To my Painなどに続き「ラウドロック」をスタイルとして掲げ、SiMやCrossfaithとともに独自のシーンを拡大してきた。coldrainは、中でも特にヘヴィなサウンドを志向し、アメリカ人と日本人のハーフであるボーカル・Masatoが書く英語詞とともに、洋邦を越えた音楽性を確立。前述のように、今年ホープレス・レコードとリリース契約を結び、本格的に海外進出した。メタルの流れを汲みつつ、J-POPのフォームをも取り入れたメロディアスなサビは、新鮮な驚きをもって受け入れられ、英国の音楽フェス「download」や、台湾の音楽フェス「HEART-TOWNFESTIVAL2014」に出演を果たした。
現在、ラウドロックシーンは多くの後続バンドなども生まれ、全体的に成熟してきていることが伺える。そんな中、coldrainは海外に自らの新境地を求め、そのサウンドとパフォーマンスに磨きをかけてきた。国内ではシーンの中核を担うバンドとして人気と信頼を勝ち得た彼らは、すでに世界最大のロック雑誌『KERRANG』のライブレポートで5点中満点を取るなど、その評価を高めている。和製英語である「ラウドロック」というスタイルが、彼らの活躍により世界的に認識される日も、そう遠くないのかもしれない。
ライブ後半では、そんな彼らの真骨頂ともいうべきナンバーを連発。「Die Tomorrow」から「The Revelation」まで、密度の濃い8曲を続けて披露し、会場ではクラウドサーフやモッシュが次々と発生。アンコールでは「You」「Six Feet Under」「Final Destination」を演奏し、ツアーファイナルは熱狂と興奮のうちに幕を閉じた。
本格的な海外進出を果たし、さらにバンドとしてのスケール感を増したcoldrain。圧倒的な盛り上がりを見せるそのライブと、ヘヴィかつエモーショナルな音楽性は、国境やジャンルを越えて、さらに多くのリスナーを巻き込んでいくに違いない。
(文=松田広宣)