小野恵令奈、芸能界引退を発表ーーアイドルとしての軌跡を振り返る

「小野にボーカリストとしての魅力が出始めたのは、ソロ活動を始めて以降ではないでしょうか。彼女のデビューシングル『えれぴょん』は、タイトルこそ奇抜だったものの、身体的な成長とともに声帯が変化したせいか、声の重心が低くなっていました。それによって抑揚の効いたものになっており、緩急をうまく使うことで、迫力を増したボーカルに成長していたと思います。また、小野はライブハウスでの他アイドルとの共演や『TOKYO IDOL FESTIVAL』への出演など、高いパフォーマンスを要求される場にも積極的に出てきていました。彼女はそこで、グループ在籍時代からは想像もつかないような、勢いのある煽り方でファンを巻き込んだりするなどして、ステージングの巧さを発揮していました」

 さらに田口氏は、ここ1,2年でソロアイドルが台頭しつつあることに触れ、「もう少し続けていればブレイクする可能性があったのでは」と推測する。

「アイドルシーンは現在、武藤彩未などの台頭により、ソロアイドルが高い評価を得る時代に突入しつつあるような気がします。小野はかつて一大グループのメンバーとして期待され、卒業後にはソロとして高いパフォーマンス力を身に着けています。それゆえ、この流れに乗ってブレイクする可能性もあったのではないかと。今回の引退発表は正直、惜しい気がしますね」

 小野は引退発表のコメントで「20歳に近づくにつれて、自分自身と向き合って考える時間も増えた」ことにより、「新たな夢や目標が出来た」と語っている。その夢が何かは明かしていないが、「時期がきましたら、あらためて皆様にお伝えする」とも伝えている。新天地での活躍を祈りつつ、来たる報告の日を待ちたい。

(文=編集部)

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