EXILE、なぜ一気に5人増加? グループ拡大戦略の背景を読み解く

「EXILEの弟分グループからEXILEに昇格する、というセオリーが当たり前になってくると、次のオーディションのときも『バラエティ番組で活躍していたり、キャラが立っているメンバーが、また弟分グループから選ばれるのだろう』という、各グループのファンにとっての懸念材料が生まれます。岩田・関口・白濱の加入は、三代目 J Soul BrothersとGENERATIONSファンからは『ずっと応援していたのにエースを取られた』と嘆かれているのも事実。それは、二代目 J Soul BrothersがEXILEに吸収されたときに抱いたファンのストレスと似たものですが、さらに厳しいのは、今回の加入劇によって、元二代目(現・THE SECOND)メンバーの存在感が薄まってしまうことです。これにはやきもきしているファンの声が多方面から聞こえてきています。

 しかし、そこにはプロデューサーHIROの思惑もきっと働いているのでしょう。弟分グループのメンバーに『EXILEのメンバーになるのが最終目標』というよりも、『EXILEを抜くことが自分の使命』と発奮させる効果も生んでいるのではないでしょうか。メンバーがEXILE入りしたからこそ、かえって自分たちのグループの存在感を増そうという気持ちが高まるというか。その競争意識が、ファンだけでなく一般層へも広まれば、仮にEXILEの人気が低迷しても、三代目やGENERATIONSがその人気を引き継ぐこともできないわけではありませんから」

 EXILEの第四章の幕開けとなった今回のメンバー増員によって、今後、同グループはどのように変化していくのか。新メンバーが切り開く新境地に期待するとともに、三代目 J Soul BrothersやGENERATIONSといった弟分グループが、さらに切磋琢磨することを願いたい。
(文=松下博夫)

関連記事