土屋太鳳『チアダン』は“ザ・部活ドラマ”と呼ぶにふさわしい 第1話は映画との架け橋的役割に

『チア☆ダン』第1話は映画との架け橋に

 昨年春に公開された映画『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』の全米大会のシーンを、幼い日の主人公が観て憧れを抱くという斬新なリンクから始まった、TBS系列の金曜ドラマ『チア☆ダン』。2009年に福井県立福井商業高校が成し遂げた実話を描いた映画版(そちらでは福井中央高校という設定に変更されていた)の9年後の世界を描いたオリジナルストーリーだ。

 憧れの「JETS」がある福井中央高校への受験に失敗した主人公・藤谷わかば(土屋太鳳)は部活も学業も中途半端な福井西高校に入学し、応援専門のチアリーダー部でチアダンスへの情熱を失いつつ合った。そんな彼女の前に、東京からの転校生・桐生汐里(石井杏奈)が現れ「打倒JETS」と「全米制覇」を目標にしたチアダンス部を設立することになる。

 チアリーダー部に元々いたメンバーとぶつかり合い、部活設立のために新メンバー集めに奔走、チアダンス経験のないメンバーを集めて初歩的なことからトレーニングに励んで行く“ザ・部活ドラマ”と呼ぶにふさわしい展開となった第1話。それと同時に、映画のストーリーからドラマのストーリーへとつなぐ架け橋の役割も果たしていたといえよう。それはつまり、“「JETS」の物語”から“「JETS」に憧れてきたわかばの物語”に移行する流れをきちんと描いたということだ。

 わかばは「JETS」に入れなかったことと、「JETS」で3年連続センターを張り、全米制覇を果たした姉のあおい(新木優子)の存在をコンプレックスに感じてきた。そんな彼女がチアダンスへの情熱を取り戻すために必要なことは、コンプレックスを脱却するということに他ならない。だからこそ、第1話のクライマックスで、わかばと汐里がサンボマスターの「できっこないを やらなくちゃ」を踊るシーンは「あおい」「JETS」というふたつのコンプレックスを拭い去る極めて重要なシーンであろう。

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