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今だからこそ放送すべきドラマ 『隣の家族は青く見える』第1話で描かれた、“不妊治療”への戸惑い

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 一昔前では“生理”という言葉を大っぴらに言うことすら恥ずかしく、女性の性に関する問題はタブー扱いされていたように感じるが、今や、生理用ナプキンや生理痛薬のCMには人気モデルが起用され、さらには排卵日検査薬のCMも放送されている。女性が今まで同性にすら打ち明けづらかった性の悩みは、徐々にオープンになりつつあるのではないだろうか。

 1月18日からスタートした『隣の家族は青く見える』は、不妊治療に悩む夫婦を中心とした現代的な問題を抱える家族を描いたヒューマンドラマ。自分たちの意見を出し合いながら作り上げる“コーポラティブハウス”と呼ばれる集合住宅に住む4家族の姿を描く。

一つ屋根の下に現代の悩みが集結

 結婚がゴールではないことは百も承知だ。家庭の数だけ幸せと悩みが存在する。この“コーポラティブハウス”には、

・夫婦円満だが一向に“子供ができない”五十嵐奈々(深田恭子)&大器(松山ケンイチ)
・子供はいらない主義のネイリスト杉崎ちひろ(高橋メアリージュン)&バツイチでスタイリスト川村亮司(平山浩行)の事実婚カップル
・2人の子供を持つ冷え切った夫婦仲の小宮山深雪(真飛聖)&真一郎(野間口徹)
・ゲイであることを隠している建築士・広瀬渉(眞島秀和)&転がり込んできた恋人・青木朔(北村匠海)

 といった問題のある上記の4カップルが生活している。第1話ではまず、五十嵐夫妻が抱える不妊問題が紐解かれていく。

不妊治療へのリアルな葛藤

 劇中でもあったように子作りに関する質問はセクハラだと思う人も増えてきており、妊活というのは非常にセンシティブな問題だ。

 「言えないけど、知りたい」という後ろめたさのある悩みを、堂々とドラマの題材にするのはかなり意義があるものだろう。筆者もPMS(月経前症候群)と生理痛の治療として婦人科に通っているが、「ピルを飲んでいる」と言うと「避妊目的なの?」と聞かれるため、まだまだ固定観念が存在していることを感じる時がある。

 菜々の説得により妊活に参加することになった大器は、初めての婦人科に戸惑いの様子。性に関する質問をストレートに聞いてくる問診票や、居眠りしてしまうほど長い待ち時間、先生の性交渉のタイミングの指定など、婦人科という男性にとってなじみのない環境は新鮮に映ったのではないだろうか。病院の対応に驚きの心を隠せない松山の演技は、すごく自然だった。

 妊娠・出産・子育てというものは本来夫婦協力してやるものであって、“イクメン”が持ち上げられていた時代に筆者は違和感を覚えていたため、第1話では夫婦が本来あるべき姿を描いてくれたのではないかと思う。

 また、第1話で忘れられない存在だったのが、須賀健太演じる大器の会社の後輩・矢野朋也だ。彼は独身でありながら精液検査の経験がある革新的な人物。朋也は、大器が婦人科に行く前に相談を持ちかけた際、不妊症には男性側にも問題があることを説明し、大器の不妊治療に対するイメージを変える。「無知は罪なり、知は空虚なり、英知を持つもの英雄なり」と哲学者ソクラテスの言葉を引用し、知ることの大切さを大器と視聴者に訴える。第1話での出番は少なかったものの、ストーリーを陰からリードする存在になるであろう朋也の存在は注目だ。

      

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