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『溺れるナイフ』、“影の主役”はジャニーズWEST重岡大毅だーー田舎の少年役が魅力的なワケ

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 「俺じゃダメなんか? 俺が笑わせちゃるけえ」。まじりっ気のない純度100%の言葉に、思わず赤面する。なんて青春なんだろう。『溺れるナイフ』で大友勝利が放ったこの言葉。直球ど真ん中ストレートの大友に、憧れる女子は少なくない。そんな大友という役柄を自分色に染め上げたのが、ジャニーズWEST重岡大毅だ。

 同作は、ジョージ朝倉の同名コミックを実写映画化した青春ラブストーリー。都会から来たティーン誌モデルの望月夏芽(小松菜奈)と、地元の神主一族の跡取り・長谷川航一朗(菅田将暉)の恋と衝動を描く。『溺れるナイフ』と言えば、公開前からW主演である小松と菅田が話題になっていた。小松は夏芽と同じくモデル経験があり、見目麗しく纏っているオーラも魅惑的だ。菅田は、今最も勢いがある若手俳優の1人であると同時に、その美しい金髪姿が人目を引いた。だが、私は思う。同作で最もいい味をだしているのは、重岡ではないだろうか、と。

 思春期特有の痛々しさ。激しく、刺激的で、呼吸すらも忘れてしまいそうなほどの全力疾走ぶり。そんな衝撃の中でただひとり、太陽のような少年がいる。それが、大友だ。カラッとした明るさと、夏芽に一途に想いを寄せる真っ直ぐさが観客に安心感を与え、さらに物語のいいアクセントになっている。もはや大友というよりも、重岡本人なのではないかと錯覚するほどに役に溶け込んでいた。

 あくまで、田舎にいる“普通”の高校生(中学生)である大友。(撮影当時)23歳である重岡が演じるのは、さすがに違和感があるのではないかと思っていたが、これがまたしっくりきているのだ。田舎の少年特有のちょっとしたダサさと野暮ったさが、全身から発せられている。もちろん、服の着こなし方や、髪型などのビジュアルの影響も大きいのだが、それだけではない。仕草や話し方、雰囲気すべてが表現しているのだ。さらに、目を見ただけで、少年の純粋無垢さが伝わってくるほど、その輝きが絶妙である。時々、噛んでしまうセリフも妙にリアルで大友らしい。

 重岡はインタビューで、夏芽に失恋し、カラオケで熱唱するシーンのことを聞かれ「あれは、はじけたなぁ(苦笑)。大友の不器用でカッコ悪い部分を全部曝け出していて、一周回ってカッコイイというか(笑)。歌うっていうより、思いのたけを叫んでましたからね」と話している。また、芝居のおもしろさについては「自分の気持ちを言えるのが、スッキリする。台詞なんだけど、ちゃんと感情を込めて、自分の言葉として言えちゃうんですよね。この台詞はこう言おうとか、気にしたらできないから。恥ずかしさもありつつ、いつも自分の中に役があるって信じてる」(引用:【重岡大毅インタビュー】今年2作目の映画に出演「アイドルっぽいキラキラを出すスイッチみたいなのはある(笑)」)と語っているように、大友と重岡自身の線引きをせず、一心同体であるからこそ、生々しさを感じるのかもしれない。

      

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