滝沢秀明、テレビで“再ブレイク”の予感 30代ジャニーズはどう実力を蓄えるのか

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(C)タナカケンイチ

 長らく地上波への出演が途絶えていたタレントが、再評価されて一線に返り咲くことはままあることだが、とくに昨今のジャニーズではその傾向が強まっている。

 たとえば、現在公開中の映画『ヒメアノ〜ル』に出演中のV6・森田剛。彼は90年代後半から00年代前半にかけては、比較的コンスタントにドラマに出演していたが、V6のグループとしての活動が減少してからはあまりテレビで見かけることがなかった。ところが昨年、デビュー20周年イヤーでV6としての露出が増えたことにともない、再び注目を集めている。そして久しぶりの主演作『ヒメアノ〜ル』では、見るものをぞっとさせる連続殺人犯役を怪演し、世間をあっと驚かせた。多くの視聴者は、森田剛がジャニーズ内でも屈指の演技派であることに気づいたのではないだろうか。

 再評価という意味では、一昨年『サマーソニック』に出演し、音楽ファンから大きな喝采を浴びたTOKIOにも触れておきたい。紅白歌合戦などに出演していることから、多くのひとは彼らの楽曲をよく知っているはずだが、王道の歌謡ロックとして高く評価していたのは、ファンや一部の音楽マニアだったのではないか。畑を耕したりするのが得意な兄貴分、とのイメージの方が強かったはずだ。ところが、『サマソニ』で披露された彼らのパフォーマンスは、耳の肥えた音楽ファンもうならせる骨太なもので、彼らが20年に渡って現役で活動し続けているベテランのロックバンドであることを広く知らしめた。

 さて、タッキー&翼の滝沢秀明も、最近テレビでの露出が控えめなジャニーズのひとりだ。05年に主演したNHK大河ドラマ『義経』の頃が、テレビにおける活躍のピークだったのではないか。そんな滝沢だが、7月期のドラマ『せいせいするほど、愛してる』にて、TBSでは7年ぶりとなる主演を務めることが発表されている。加えて、2017年にはホラー界の巨匠・清水崇監督によるオリジナル作品『こどもつかい』で映画初主演が決定、さらに今月14日放送のTBS『櫻井・有吉THE夜会』では、かねてより噂されていた嵐・櫻井翔との不仲説にも言及することも明かされており、バラエティ番組への目配せも効いている。

 今年の後半から来年にかけて滝沢は、間違いなく再びメディアでの注目を集め、トップアイドルとしての実力を示すはずだ。いや、そもそも滝沢はテレビ露出こそ控えめだったものの、ジャニーズ内では常に頂点にいたのだ。05年以降にテレビ露出が少なくなったのは、決して人気が落ちたからではない。ジャニー喜多川氏の「和に特化した舞台を作りたい」との意向を組み、06年からは『滝沢演舞場』を開始し、10年からは自ら演出にも参加して『滝沢歌舞伎』を率いてきたのだ。ジャニーズにおいて舞台は、ジャニー喜多川氏がもっとも重視するエンターテイメントの舞台であり、その独特なジャポニズムこそが作品の特徴である氏にとって、「和に特化した舞台」がどれほどの深い意味を持っていたかは、想像に難くないところである。言い換えれば、ここ数年の滝沢は氏の期待を一身に背負い、ジャニーズ・エンターテイメントの最先端を切り拓いていたのだ。

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