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峯田和伸主演『奇跡の人』撮影スタジオを訪問! 人と人がふれあう“幸福な現場”の風景

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 どの連ドラもクオリティが高いと評判の2016年4月クール。なかでも、BSながら大健闘している作品が毎週日曜夜10時から放送中のプレミアムドラマ『奇跡の人』(NHKBSプレミアム)だ。スタート時に河野英裕プロデューサーに取材をした際、現場見学をお願いしたところ快諾していただいた。(参考:峯田和伸×麻生久美子×岡田惠和、夢の布陣はなぜ実現した? 河野英裕P『奇跡の人』インタビュー)5月上旬のある日、世間のゴールデンウィークなんてカレンダーとは関係なく進む撮影の現場にお邪魔した。

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 調布日活撮影所の1スタに足を踏み入れると、そこには都倉アパートの中庭のセットが組まれていた。昭和テイストの味のある小物や、ダイヤル式の青電話、VHSのライブラリーがレトロであたたかみのある空気をつくっている。また、テレビでは気付かなかったが、オランダの木靴やマトリョーシカなど、世界各国の土産物がたくさん。小道具さんいわく、大家の風子(宮本信子)は旅好きという設定なのだそう。残り4話では、セットの細部にも注目してほしい。

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 この日は、全住人が出演する数ページにわたるシーンを撮影中。テスト(1回)、本番(一発OK)、映像チェック中に照明部や撮影部のスタッフが次のカットのセッティングに入る一方で、演出の狩山俊輔は俳優たちに芝居をつける。10分ほどで準備が整い次第、待機していた俳優部をセットに呼び込んでテスト、本番、という無駄のないリズムとテンポで撮影が進んでいく。撮影現場の空気は、粛々、そして穏やか。大声が行き交うわかりやすい活気ではなく、各スタッフが自分の責務をきっちりとこなして細胞となり、その部署が器官となり、この中庭という無機物に命を与えるという正しい活気がそこにはあった。

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 一択(峯田和伸)がアパートの住民を前に、海(住田萌乃)に関してある提案をするシーン。その提案を花(麻生久美子)が受け入れると、一択は喜びのあまりガッツポーズ! そのポーズの暑苦しさに、テストではみんなが思わず笑ってしまう一幕も。本番で一択が熱弁を振るうと、その目には涙がたまっている。それをモニターで見ている狩山ディレクターの顔がほころんでいく。本番。ガッツポーズをした峯田は、握った拳を自分の太ももにガンガンと打ち付けて震えるほどの喜びを表現する。そんな一択の想いに対し、テストを大きく超える複雑で繊細な表情で応える麻生。カットがかかって響き渡るのはもちろん、狩山の大きな「オッケー!」の声だ。

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 峯田と住田はまるで親子のようだった。狩山の「オッケー!」が聞こえると、住田は満面の笑みで、峯田のズボンを引っ張りながらセットから出て行き、腕にしがみつくという懐きよう。この関係性が生まれたのは、彼らがヘレン・ケラーとサリバン先生のように信頼で結ばれていく関係を演じたからだけではないように思う。峯田の、頭に台詞を叩き込んでいるからこそできる、一生懸命かつのびのびとした芝居が、住田にいい影響を与えているように見える。自由に、思い切り、ここぞというところで感情を爆発させる峯田の芝居は、経験の浅い住田にとって最高のお手本だ。そして、峯田は常に住田のそばにいる。峯田という強い味方がいるから、住田は安心して芝居ができるのだ。

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 この日のスタジオは、あるお客さんの訪問で賑やかだった。それは、海と同じ盲ろうの女の子ミキちゃん(10歳)と、ミキちゃんのお母さんとお姉さんだ。峯田と住田はそれぞれの役を演じるために、ミキちゃんから多くのことを学んだ上で、撮影に臨んだという。住田はミキちゃんのことが大好きで、空き時間はずっとミキちゃんと遊んでいる。後ろから抱っこして身体を揺すったり、お互いの手の平を合わせてペチペチと叩いたり。また、ミキちゃんが峯田の手をぺろぺろとなめたり、甘噛みをする光景も。言葉ではなく身体でふれあうコミュニケーションをとっているとき、誰もが自然と笑顔になっている。『奇跡の人』の撮影現場には、人と人がふれあうことが平和の秘訣なのかもしれないと思わせる、幸福な風景が広がっていた。

(取材・文=須永貴子/写真=編集部)

■ドラマ情報
プレミアムドラマ『奇跡の人』
2016年4月24日(日)〜6月12日(日)
BSプレミアム 毎週日曜 午後10時〜(連続8話)
※再放送は、毎週土曜 午後11時45分〜
作:岡田惠和
出演:峯田和伸、麻生久美子、住田萌乃、浅香航大、中村ゆりか、山内圭哉、光石 研、白石加代子、宮本信子ほか

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