シングル「GIFTED」インタビュー
SCREEN modeがアニソンと向き合いたどり着いた“自分たちらしさ”「ここからが本当のスタート」
声優の林勇(勇-YOU-/Vo)、 サウンドプロデューサーの太田雅友(雅友/Gt)によるバンド、SCREEN modeがニューシングル『GIFTED』をリリース。TVアニメ『ムヒョとロージーの魔法律相談事務所』(BSスカパー!、アニマックス)のオープニング(OP)主題歌として制作された表題曲は、ヘヴィネスと解放感を併せ持ったサウンド、エモーショナルなボーカルがひとつになったロックチューンに仕上がっている。本作の制作プロセスを軸にしながら、5周年を迎えた現在のSCREEN modeについて、勇-YOU-、雅友に語ってもらった。(森朋之)
ボーカルとギター、それぞれの挑戦
ーーニューシングル曲「GIFTED」はTVアニメ『ムヒョとロージーの魔法律相談事務所』OP主題歌。どんなイメージで制作されたのでしょうか?
雅友:アニメサイドからは「“ダークヒーローもの”として(主題歌を)作ってください」という依頼があったんですよ。原作を読ませてもらうと、決してダークなだけの作品ではなかったので、楽曲には希望も感じられるようにしたいなと思って。
勇-YOU-:シリアスな雰囲気で始まって、サビには疾走感があって。1曲のなかにいろいろなテイストが感じられる楽曲だと思いますね。この曲、いままで出したことのない高さのキーに設定されているんですよ。それは新しいチャレンジでしたね。
ーーいままでの中で最高に高い音域ということですか?
勇-YOU-:そうみたいです。自分の音域がどこからどこまでかよくわかっていないんですけど(笑)、いちばん高い音を使ってるみたいで。
雅友:うん。しかも、その音を使ってる区間がけっこう長いんですよ。
勇-YOU-:最初はちょっとビビってましたけどね(笑)。レコーディングの前にボイトレの回数を増やしたんですよ。スポーツと同じで身体を慣らすことが必要だし、すぐに身に付くものではないんですけど、集中してトレーニングしたことで、高い音の“当て方”がわかってきて。前回のツアー『SCREEN mode LIVE TOUR 2018 −Funky Star−』のファイナル公演で「GIFTED」を初披露させていただいたのですが、ライブの終盤にも関わらず何とか歌い切ることができたんですよね。そのときに実感したのが、「GIFTED」を歌ったことで、他の楽曲が以前よりラクに歌えるようになったということで。雅友さんに高いキーに挑戦させてもらったことが、自分にとってプラスに働いたんだと思います。今後に歌に活かせそうだなという期待もありますね。
ーー高いキーに設定したのは、何か理由があるんですか?
雅友:作曲家としては本来は “ここからここまで”という音域の範囲で曲を作るのがセオリーなんですが、「もしかしたら、もっとイケるんじゃないか」という感じもあったし、優しいハードルを設定することで、その可能性を狭めているかもしれないと思ったことがあって。それは5年間やってきたからこそ感じられたことなんですけどね。
勇-YOU-:そんなに無謀なキーではないですからね。デモ作りの段階で「ここまでは出そうだね」とお互いに確認していたし、そのうえで「いける」という判断をしたので。過信するのも良くないですけどね。「この高さまで出せる! 気持ちいい!」って感じで調子に乗って歌って、喉を痛めてしまったら元も子もないので。
ーーエモーショナルなギターリフ、速弾きのギターソロも印象的でした。
雅友:もともとそういうギターが好きだし、ダークヒーローものだから、それくらいやってもいいかなと(笑)。あとは高崎晃(LOUDNESS)さんへのリスペクトですね。以前、『ランティス祭り』で共演した際にご挨拶させてもらったんですけど、勝手にDNAを引き継がせてもらいました(笑)。