超特急、6人で追求するグループのあり方「8号車と一緒に目指すところに近づいていきたい」

超特急が追求するグループの在り方

 土曜ナイトドラマ『ヒモメン』(テレビ朝日系)の主題歌「Jesus」を含む同名のニューシングルを8月8日にリリースする超特急。和風テイストなラップ×テクノなオープニングから超ポップなサビに至るまで変幻自在な展開で聴かせる作品だが、どこを切ってもすべてが超特急であり、彼らの振り幅の広さを逆手に取った作風とも言える。

 現在の6人体制になって半年あまり。5~6月には東西アリーナツアー『Sweetest Battlefield』、7月からは全国各地のフェスでもハイテンションなステージングでオーディエンスの度肝を抜いている彼らだが、新体制になってからのパフォーマンスや意識的な変化などを含めてじっくり語ってもらった。(古知屋ジュン)

今の僕らの気持ちをパフォーマンスで伝えられた(リョウガ)

リョウガ

ーー少し前の話になってしまうんですが、6人体制になって初のツアー『Sweetest Battlefield』について振り返っていただきたくて。MCを控え目にしてたっぷり曲を詰め込んで、東京と神戸でセットリストも変えましたよね。どういうコンセプトのツアーだったんですか?

ユーキ:前回、前々回のツアーの打ち合わせをしていた時に「MC抜きのライブをやってみたい」「(映像などの切れ目を入れずに)ノンストップでやってみたい」とか、一度はやってみたいと思うライブのアイデアをばーっと挙げてたんですよ。それが巡り巡って、「今回のツアーでまとめてやってみよう!」って話になって。東西でセットリストを変えたのは、構成が決まる前から「変えます!」と僕らが謳ってしまっていたので(苦笑)。そんなこと言いつつも、せっかくなら東京と神戸で違うステージを見せたい気持ちはあったので、企画段階から僕と演出家の方が中心になって一緒に考えました。

ーーアンコール含めて気付いたら終わってたくらいの、怒涛の内容でしたね。

リョウガ:時間的にはこれまでのツアーの中でも一番長かったんですけどね。

カイ:僕らも、気付いたら最後のブロックになってるくらいで。内容を東西で変えたから曲数も多かったし、フォーメーションを全部円形ステージ仕様に変えたりということもあったので、リハーサル期間に覚えることの密度がすごく濃かったんですね。それが始まってしまえばあっという間で、儚かったな……って。

タクヤ:とにかくてんこ盛りなライブでしたし、僕らも休む暇もなく駆け抜けた感じでした。でも今回は会場の規模のわりにステージと客席も近かったし、より8号車のみんなと一つになれた気がします。

ーー東西でメドレー含めて合計39曲ありましたが、それぞれ思い出深い曲や演出というと?

カイ:全部思い出深いものではありましたけど、パッと思い浮かぶのは東京の「Gravitation」と神戸の「Kura☆Kura」。色が変わる炎を演出で初めて使ったので感動したんですけど、とにかく熱かったんですよ。曲のラストに一番大きい炎が出るんですけど、神戸ではそのとき炎の前に僕とユースケがいて、あまりの熱さに2人ともビックリしたっていう。

ユースケ:あれはねえ、焦げるんじゃないか? って思いました(笑)。

ーーユースケさんの振付のアイデアが採用された「SAY NO」の突き抜けてアグレッシブな感じもすごかったですよね。

ユースケ:デモを聴いたときに、僕だったらこういう振りにするなっていうのを振付を担当しているえんどぅさんに伝えたら、それが通ったんですよ。だから共作じゃないですけど、サビの部分に自分が携われたことが嬉しかったです。でも個人的に思い出深い曲といえば「Feel the light」なんですよ。あとで映像を見返したら、めちゃめちゃかっこよくて。チェックの衣装だったんですけどその見栄えも好きでしたし、振りもこれまでやったことがないようなテイストのもので、お客さん目線で見ても「これはヤバい!」って見入っちゃうような感じだったんですよね。僕は個人的には明るい曲が好きなんですけど、超特急ならこういう曲もありだなって。

タカシ:8号車もみんなペンライトつけるの忘れてるくらいでしたもんね。ホントに異色でしたよね。

ーー「Feel the light」とは別で、「Billion Beats」や「Starlight」のブロックはメンバーカラーの照明やダンスソロが入ったり、趣があってステキでした。

タクヤ:僕も「Billion Beats」は思い出深いです。自分のセンター曲で思い入れがある曲でもあるし、間奏でソロで踊らせてもらう部分では感情が爆発しました。今回は既存のフリではなくて、新しいものを自分で考えたりもできたので、楽しかったですね。

タカシ:僕は「fanfare」でのカラーガード(大きなフラッグを使ったパフォーマンス)でしたね。練習期間も取って、僕らが初めてのパフォーマンスに挑戦する様子をみなさんに見せていくのはよかったんじゃないかなって。みんなで力を合わせて頑張ったので、より結束力も高まったんじゃないかと思います。本番では、ちょっといろいろあったりもしましたけど……。

リョウガ:あのパフォーマンスは力もいるので、舞台裏は想像を絶する大変さではあったんですよ(苦笑)。

ーー特にタカシさんはカラーガードを振った前後に歌いながら踊るわけで。

タカシ:曲の途中にあのパフォーマンスが入るのは、正直に言うとめちゃめちゃしんどいんですよ。緊張しまくりながらフラッグ振ってて、それからいきなりマイク持って歌うっていうのが。組んでるユーキにフラッグを上手く受け取らせないといけないですし、歌とは違った意味でプレッシャーがありましたね。今回のツアー、ボーカル的にはいろんなプレッシャーポイントがあったんですけど。

ーーMVの内容をなぞった「Party Maker」でも歌って踊って腹筋して。本当に凄かったと思います。

タカシ:「Party Maker」のときは、“僕であって僕じゃない”って言えるレベルではっちゃけないと、曲の世界観に呑まれちゃうんですよ。だからそうなってたまるか! っていうテンションで臨んでました。正直、あの曲やってるときの記憶、あんまりなかったりして……今回のツアーではこの曲に限らず全体的に身を粉にして向き合った感じがありました。

ユーキ:僕は1曲だと選べないんでBEST3にしていいですか?

リョウガ:なんで勝手に曲増やしてるんだよ。

ユーキ

ユーキ:えーと(笑)、まず出方とか音のハメ方にめちゃくちゃこだわったので、3位は神戸のド頭の「Kiss Me Baby」ですね。この曲の間奏が終わったあとのラスサビ前の〈Kiss Me Baby〉ってセリフのところで、普段は自分がスクリーンに抜かれるんですけど、そこからタカシに抜くっていうのをどうしてもやりたくて……8号車をハッとさせたかったというか。2位は「Feel the light」の導入部分ですね。タカシが登場してくるこの部分は元々の振付にはないんですけど、振付してくださった(世界的に活躍するダンサー/振付師の)TAKAHIROさんイズムを受けて、歌詞に込められた“光を求めていく”世界観を自分なりに表現したかったので。1位は神戸の「Party Maker」での全員で水かけあって、ラスサビ前に「騒げーーーーー!」って叫んだ瞬間ですかね。〈今日は……〉で特効がさく裂する瞬間も、やっててめちゃくちゃ気持ち良かったです。

リョウガ:これまではアンコールでわりとはちゃめちゃ系な曲を連投するパターンが多かったんですけども、僕は神戸のアンコールが「Starlight」から始まったのが記憶に濃く残ってて。今回来てくれた8号車へ向けて、今まで披露してきた「Starlight」とはまた違った感じでこの曲の持つ意味を深く伝えられたような気がします。今回のツアーもセットリストや演出をユーキが担当してるんで「お、やるじゃん?」ってちょっと思ったんですよね。視覚的な刺激もあれば曲調のメリハリもあって、計算し尽くされたセットリストだなって。6人体制になって一発目のツアーということもあったので、まだ気持ちの整理がついてない8号車に向けて、今の僕らの気持ちをパフォーマンスで伝えられたんじゃないかな。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる