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小野島大の新譜キュレーション 第15回

yahyelが2ndアルバム『Human』で強めた“歌もの”としての訴求力 小野島大が選ぶ新譜6選

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yahyel『Human』

 発売は3月7日とまだちょっと先ですが、本連載の更新タイミングもあるので早めにご紹介しておきます。1stアルバム『Fresh and Blood』(2016年)が大きな話題を呼んだ日本の5人組yahyel(ヤイエル)の新作『Human』(Beat Records)です。ジェイムス・ブレイクに通じるポスト・ダブステップ的なエレクトロニックR&Bという基本路線は同じながら、より音数を絞り込んだストイックなサウンド・プロダクションで、歌ものとしての訴求力が強まっています。1stでさまざまに張り巡らされてきた伏線が全部繋がって一気に具体化・作品化した感じで、いろんなことが腑に落ちて視界が開けた感じの気持ち良さがあります。音響的にも申し分なく、あとはこの世界をどうライブで具象化するか。いろいろ楽しみですね。

yahyel – Iron (MV)

 

yahyel – Rude (MV)
Everything is Recorded『Everything Is Recorded』

 英国の名門<XLレコーディング>の総帥リチャード・ラッセルの主宰するプロジェクト、エヴリシング・イズ・レコーディッド(Everything is Recorded)の1stアルバム『Everything Is Recorded』(XL Recordings / Beat Records)。XL所属アーティストを中心にさまざまなゲストが参加するコラボユニットで、いわばかつての<4AD>=アイヴォ・ワッツ・ラッセルのジス・モータル・コイルや、<Mo’ Wax>=ジェームス・ラベルのUNKLEの現代版みたいなものでしょうか。サンファ、イベイー、SYDといったゲストボーカリスト、カマシ・ワシントンやオーウェン・パレット、デーモン・アルバーン、グリーン・ガートサイドから、ピーター・ガブリエルまで参加した豪華さと幅広さは現在の同レーベルの勢いを示しています。サウンド的にはソウル〜ジャズ〜レゲエ〜ダブをゆるやかに繋ぐオーガニックで官能的なダウンテンポ・エレクトロニカで、後述するナイトメアズ・オン・ワックスの新作に共通するスモーキーでゆったりとしたレイドバック感が魅力的です。

Everything Is Recorded – Bloodshot Red Eyes feat. Infinite & Green Gartside
Everything Is Recorded – Close But Not Quite (ft. Sampha) [Official Music Video]
Nils Frahm『All Melody』

 ドイツ人ピアニスト/作曲家、ニルス・フラーム(Nils Frahm)の4年ぶりのアルバム『All Melody』(Erased Tapes / Inpartmaint)。いわゆるポスト・クラシカルにカテゴライズされるアーティストのひとりですが、本作はアルバムを作るためにベルリンにスタジオを作るところから始めたというだけあって、スタジオ内でのさまざまな実験や技巧、テクノロジーを凝らしたエレクトロニック・ミュージックといった趣で、無機的な実験音響から、胸を締め付けられるようなエモーショナルなメロディまで、生楽器と電子楽器をシームレスに繋ぎながら、美しくオーガニックで繊細で劇的な世界を作り出しています。

Nils Frahm – All Melody (Official Album Trailer)

      

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