the GazettEはまだまだヤバくなる! 地獄のハロウィンライブで体現した“激しさの真髄”

the GazettEが体現した“激しさの真髄”

 10月25、26日に大阪・なんばHatch、10月30日、31日、東京・豊洲PITにてthe GazettEのハロウィンライブ『HALLOWEEN NIGHT 17 THE DARK HORROR SHOW SPOOKY BOX 2 アビス/LUCY』が開催された。昨年のハロウィンライブ『HERESY LIMITED THE DARK HALLOWEEN NIGHT [-SPOOKY BOX-]』を今年は拡大し、1日目はメロウなナンバーを中心に据えた「アビス」、2日目はハードなナンバーが中心の「LUCY」という”静と動”のコンセプトで行われた。本記事では、31日に行われた「第二夜・LUCY」の模様をレポートする。

RUKI

 この日の豊洲PITはもちろんソールドアウト。パンパンのフロアにはハロウィンだけあって仮装も目立つ。開演前のアナウンスでは録音、撮影、ダイブなどの禁止事項のほかに「頭を振る時は他のお客さまに注意して……」という注意もなされた。物理的な意味で”客の頭”の心配をするのは、the GazettEのライブくらいなものだろうと思わずニヤリ。

 客電が落ちると地の底から響くような大きな歓声が沸き上がり、「RAGE」から“地獄”はスタートした。RUKI(Vo)の「Are you ready?」を合図に、フロアは凶悪なリフにあわせてヘッドバンギングで埋め尽くされる。息をつく暇もなく「DAWN」へ。

 ステージの天井には数多の首吊りロープや、燭台がそこかしこに設置されている。さらに、ハロウィン限定のビジュアルコンセプト「Creepy Dead Puppets」の衣装を纏ったメンバーが、SPOOKY(不気味)さに拍車をかける。

 RUKIは“CHAIN KILLER”という真っ赤なスーツと帽子にチェーンソーを抱えた殺し屋、麗(Gt)はシスター姿でその名もズバリ“MAD SISTER”。葵(Gt)は手に鉄の爪が施された“DEADLY CRAW”、身体じゅう有刺鉄線まみれの“PSYCHO SLUGGER”のREITA(Ba)。そして、漆黒の羽に身を包んだ“PHANTOM RIPPER”、戒(Dr)というラインナップ。全員ホラー映画の登場人物のような出で立ちだ。ハロウィンライブというと特定の映画や漫画のキャラクターに扮することも多いが、そういう手法をとらないのも彼ららしい。

 続いての「HEADACHE MAN」、畳み掛けるように「BEFORE I DECAY」をブチこんでいく。首を掻っ切るジェスチャーでフロアを煽るRUKI、トレードマークといえる回転を披露するREITA。序盤からすでにクライマックスの様相だ。この日最初のMCでRUKIは「底なしの地獄へようこそ!」と挨拶し、「今夜お前たちの愛しい首を狩りに来ました。今夜生きて帰るか、ここで死ぬかお前ら次第だ。どっちが先に殺られるか勝負しよう! ここにいる全員かかってこい!」と続ける。そして、ファンも臨戦態勢と言わんばかりの声をフロアに響かせる。ここにいるのは”地獄”を楽しみたい者ばかりなのだ。「どうやら今夜はとくに死にたがりが多いみたいだな!」とRUKIを筆頭にメンバー全員満足げな様子。

 ヘヴィかつ華やいだ雰囲気の「VENOMOUS SPIDER’S WEB」、フロアとバンドが衝動を爆発させた「Maggots」、「COCKROACH」、「UGLY」では拳とハンドクラップで盛り上がり、新旧の”激しい”楽曲で構成された”地獄”は「関東土下座組合」でクライマックスを迎える。中指を立てる麗、激しいヘドバンを繰り返す葵、大きくスティックを掲げる戒。そして枯れるほどの声でメンバーの名前を呼び、頭を振り、時に拳をあげ、全身でバンドへの愛情を表現するファンの姿は、まさに“殺し愛”とでもいうような激しいものだった。

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