LiSAが語る、自身の快進撃と活動スタンス「一番の目標は『長くみんなと生きていきたい』」

LiSAが語る“快進撃”と変化

 LiSAの魅力をまるごと1冊にした書籍『LiSAぴあ』が、6月17日に刊行された。

LiSAぴあ

 同書はアリーナツアー『LiVE is Smile Always ~LiTTLE DEViL PARADE~』の初日に合わせて発売され、リアルサウンド編集部のある株式会社blueprintで編集制作を担当。いつもよりオトナっぽい表情を見せるフォトセッションを経て完成した表紙や巻頭グラビアをはじめ、「デビュー5周年とその先」を語るロングインタビュー、作品徹底ガイドなどで彼女の世界観を、過去・現在・未来にわたって伝えていく内容だ。

 加えて、レコーディングやライブをサポートするバンドメンバーが語り尽くす LiSAの素顔、ゆかりのアーティストからのメッセージ、盟友May’nとの和気あいあいとした対談といった企画も展開している。今回リアルサウンドでは、同書に収められた巻頭インタビューより一部を抜粋。5周年イヤーを終えた感想やソロキャリアの振り返り、ホール&アリーナツアーから4thアルバム『LiTTLE DEViL PARADE』まで、彼女の表現について大いに語ってもらった。(編集部)

“壁”を壊してきたアーティストに感謝を

──昨年4月20日にミニアルバム『LUCKY Hi FiVE!』のリリースとともにデビュー5周年に突入しましたが、あっという間の1年でしたね。展開としても怒涛の流れで。

LiSA:そうですね。この5周年を迎えるまで、「いよいよ始まった!」と意識して1年を始めるということがなかったので。こうやってスタート地点を決めた状態でワーッと走っていくと、本当にあっという間だったんだなと、あらためて思います。

──そもそも「○周年」って、毎年気にするものでもないですしね。

LiSA:そうなんですよ。よく恋人同士でもあるじゃないですか、毎日が「○○記念日」みたいな。私、「そんなに記念日があったら、プレゼントを選ぶの大変だよ?」って思う(笑)。だからこそ、当たり前のように一日一日、ひとつずつ重ねていった先に、すごいことがあったらいいなって。この先も、そういうスタンスでいたいと思っています。

──意識的な違いはあったにせよ、活動していくなかで、それまでの4年と比べて大きな違いは感じましたか?

LiSA:実は、そんなに大きな違いは全然感じてなくて。ただ振り返ったときに、やっぱりちゃんと一歩ずつ、1年ずつ段階を踏んできたなと思うんです。いろいろ広い場所に行けたりだとか、いろんな方に会わせていただく機会が増えたりだとか、自分のことを知っていてくださる人がたくさんいたりとかっていう、自分の活動がきちんと一歩ずつ進んでいるんだなって、リアルに感じられるタイミングが、すごくたくさんありました。

──それこそアリーナツアーであったり、昨年でいうと夏には『SUMMER SONIC 2016』にも出演しましたし、本当に幅が広がっています。それまでのフィールドからどんどん外の世界に向けて自ら進んで出ていける環境がより整いましたよね。

LiSA:そうですね。それはすごく時代とタイミングに感謝しています。あえてわかりやすく“今までその畑にいた人”と言わせていただきますが、これまで壁を壊そうとチャレンジして、壊せなくて苦労して、それでもトビラを開けたい、開けたいと言い続けてくれた人たちがいたから、今のような環境があると思うんです。そして、たまたまトビラを開いて出ていけるタイミングで、たまたま私が選んでもらえた、という感覚です。そうやってサマソニに出させていただいたり、ロッキン(『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』)に出させていただいたり……本当に感謝ですね。

──たぶんそこって、環境を作る人たちの変化もあると思いますが、と同時にリスナー側も「これは○○、これは××」とジャンルを変に意識しなくなったということも大きいと思うんです。

LiSA:そう思います。私も年齢的にはわりと大人側なので、ロックを聴いたりフェスに行ったりという、体力と時間の自由度がある人たちって、やっぱり若いなと思っていて。その若い子たちが今まで生活してきている環境が、私たちのころとは違うなと思うんです。

 例えば、インターネットが身近にあったり、わざわざパソコンを開かなくてもスマートフォンで動画を観られるという環境がすごく強いなって。だからこそ、アニメがすごく身近なものになっている。私たちの子どものころって、テレビを陣取ってドラマを観ることのほうが多かったと思いますし、それこそ夜の音楽番組を観ることが周りとの一番の共通の話題だったんです。でも今はたぶん、子どもたちの共通の話題は、ドラマや音楽番組ではなくて、どっちかというとアニメなんだろうなって。

 だから、その子たちが大きくなってきて、音楽と言えばアニソンを聴いてきた、そこからジャンル関係なくアニソンをやっているロックバンドの曲を聴くようになって、ロックバンド自体に興味を持って……という流れになるのは自然なことで。アニメがみんなの共通の話題になったということが、すごく強みなんだなって思います。

──確かに。しかも、ひと昔前と比較しても、放送されているテレビアニメの数が格段に増えましたものね。

LiSA:そうですね。私は地元が岐阜なんですけど、自分がいたころは全然やってなかったですよ。夜中に放送する番組といったら、海外ドラマの『プリズン・ブレイク』という印象しかなくて(笑)。上京して、「東京って、夜中にこんなにいろんな番組を放送してるんだ!」って驚きましたから。特に、どのチャンネルを回してみても、夜中にアニメをやっている印象があるじゃないですか。

──アニメを求める人がそれだけ増えたというのも大きいとは思いますし、映像とは切っても切れない関係であるアニソンがひとつの文化としてここまで成長したのも、今の状況を変えた要因のひとつだと思います。カラオケの履歴を見ても、アニソンがずらっと並んでいたり。

LiSA:そうですね。私たちが以前J-POPを聴いていた感覚で、今はアニソンを聴いているんだと思います。CDを買ったりカラオケで歌ったり、アニソンシンガーに憧れたり。だから、感覚が私たちのころとはもう違うんだなって理解していかないと、そこについていけないなって思うんです。

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