CONNECTONEレーベルヘッド 高木亮氏インタビュー「“音楽の匂いが濃い”人に集まってほしい」

CONNECTONE高木亮氏の考えるレーベルの在り方

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「CONNECTONEという言葉を広げていきたい」

――ここ数年、実際にいろいろな形でチャレンジされていますね。ビクターに移籍されてしばらく経ちますが、外から見ていたイメージと、今のイメージは変わりましたか?

高木:もともと音楽好きの多い会社だと思っていて、そのイメージはそんなにずれていなかったですね。そういう意味では、僕が長年いた東芝EMIに近いと思う。すごく音楽の臭いがする会社だし、今の環境はありがたいなと思っています。チャレンジという意味では、うちの経営者の斉藤(正明)が、やっぱり攻めの人なんですよ。新しいことをガンガンやっていくために僕が呼ばれたというのもあるだろうし、このご時世に、まだアーティストを増やせ増やせと言いますから。スタッフは大変だけれど、今年も2アーティスト、3アーティストくらいは増やそうと思っています。

――高木さんのEMI時代のお仕事で言えば「EMI ROCKS」があり、つまりレーベルのフェスの先駆けとなりました。5月6日に「CONNECTONE NIGHT VOL.1」が開催されますが、当時の経験はやはり生きていますか。

高木:そうですね。ブランディングという意味で、「EMI ROCKS」は大正解だったし、当時ロックにおいてはソニーやビクターと団子状態だったなかで、いろいろな付加価値ができたと思うんです。そういうお祭りの空気感を伝えていくことは大事ですからね。ビクターはビクターで、会社として「ビクターロック祭り」をやっているので、そことの棲み分けも考えつつ、毎年やれる形にしていきたいなと思います。

――日本の音楽シーンを考えると、一定のファンはつかむものの、そこから先の大ブレイクが少ないというのが、ここ数年の傾向だと思います。シーンがタコツボ化しているという点についてはいかがでしょうか。

高木:タコツボ的に3万枚が300作品できたら、それはそれで幸せだし、もちろん最初は小さい数字から始まると思います。それでも我々としては最終的にメガセールスを目指したいと思っていますよ。そのためには、すごく逆張りというか、いまのシーンにない何かを強く提案できなければいけない。そういう意味では、僕らみたいに新しいことをやろうとしているチームが、本当に新しい音楽を提案できたら、ブレイクスルーできるチャンスはあると思う。例えばぼくりりなんかは、本当にすごい才能と出会えたと思っているし、今年、来年で音楽シーンをちょっと変えてやるぜ、くらいのことは思っています。

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――最後にあらためて、今後はレーベルとしてどんなところに力を入れていきますか。

高木:RHYMESTERを含めて5アーティスト、すごく面白い才能と出会えたので、まずはそれぞれをいまのステージよりひとつ上のステージに上げることが大事だと思います。そして、新人アーティストも増やして、CONNECTONEという言葉を広げていきたい。1年目にやってきたこととそんなに変わらないですね。最終的には自分たちでライブスペースを持つとか、もう少し大きなステップに進むために、着実にスケールアップさせる、というのが等身大のところでしょうか。CONNECTONE NIGHTはわりと胸を張って「面白いから遊びに来てよ」と言えるし、どんどん、どんどん、次の才能や面白い業界人が集まってくれたらいいですね。

(取材=神谷弘一/構成=橋川良寛/撮影=竹内洋平)

■CONNECTONE NIGHT VOL.1
http://www.jvcmusic.co.jp/connectone/

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