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1st ミニアルバム『papa』リリースインタビュー

「煌めいた言葉はいらない」新進ポップユニット=macicoが目指す“生活に寄り添う”音楽

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 macicoは、2015年にシンガーソングライター・日向文としての活動に一つの区切りを付けたaya、2015年10月に解散ライブを行ったバンド・ハチミツシンドロームのボーカルtomの2人からなるユニットだ。1月13日に<タワーレコード>から初の全国流通盤となる1stミニアルバム『papa』をリリースし、1月から発売を記念した全国ツアーを行う。今回、2人にはそれぞれの活動を終え、macicoをスタートさせた今の心境とアルバム『papa』について。そして、ツアー会場限定シングル『jete』や現在の音楽シーンの立ち位置と今後の展望までを語ってもらった。(渡辺彰浩)

「<寄り添える何かがあるなら 煌めいた言葉はいらない>って歌詞は一番伝えたいこと」(aya)

――ayaさんは日向文の活動にひと区切りを付けて、現在はどのような心境ですか?

aya:“日向文”名義では、自分で思ったこととか、本などからインプットしたことを自分なりの解釈で曲にしていたりしたんです。活動していく中で自分に歌いたいことがなくなって、日向文を消化してしまって……インプットの元だった思春期とか幼い時期の考え方を全て出し切ったというか、曲にはしたかなって思ったのでやめました。今はどうしたらmacicoがいろんな人に受け入れてもらえるか、聴いてもらえるかをすごく考えている時期です。

――はっきりと発表はしていませんが、「日向文の活動に区切りを付ける」とファンの人が分かった時はかなり反響があったように感じました。

aya:“日向文”っていうのは私の名前じゃなくて活動名だったから、私は歌うことはやめない。だから、「日向文を終了」とかは言ってないんですよ。発表するようなことでもないなと思って。日向文が終わっても、macicoとして歌う私がいるから。

tom:最後に日向文としてライブはやるの?

aya:ないね。macicoをやり始めてこのモチベーションで日向文は出来ないと思う。音源化していない好きな曲があるので、それは世に残してもいいのかなっていうのはありますね。

――一方、tomさんがハチミツシンドロームを解散して、約3カ月が経ちました。今の心境は?

tom:ハチミツがなければ、今の僕はいないので。バンドを通して出会えた方々や、この目で見てきたことであったり、得たものはこれから先も僕の誇りです。macicoとしては、ようやく慣れてきましたね。作るべき曲や歌うべきことだったり、課題も多く見えてきて、これからが楽しみです。

――客観的に見てmacicoはどういうユニットだと思っていますか。

aya:生活の1ページのようなユニット。たとえば、散歩だったり、家でゆっくりしてる時間だったり、個人個人の自分の好きな時間にmacicoの音楽が合えばいいなって。今回の作品に関しても、「生活に寄り添う」をテーマに作ろうという話になって、アルバムのリリースが急に決まったんです。曲はずっと作っていましたが、その時に偶然出来た「papa」のAメロにある<寄り添える何かがあるなら 煌めいた言葉はいらない>って歌詞がすごくいいなと思って。アルバムの軸というか、一番伝えたいことだなと感じたので、この歌詞を中心にアルバムを作りました。

――“papa”というキーワードは何をイメージしたのでしょう。

tom:「papa」というタイトルを決めたのが一番最後なんですけど、<煌めいた言葉はいらない>の歌詞のように、力の強い言葉とは対極というか意味をなさないそれぞれに寄り添える言葉を使いたくて。そんな魔法のようなモノが時にはこの世のどんな綺麗な言葉にも勝る瞬間があるなというか。

――“煌めいた言葉”とは?

tom:僕の中では「好きだ」とか「愛してる」ですかね。

aya:力を持った言葉。「頑張れ」とか「好き」とかそういう言葉だね。

――いわゆるJ-POPシーンでよく使われている歌詞のフレーズですね。アルバムリード曲でありMVも作ったのが「MUSIC」。この曲は2人だけじゃなく、バンド形式として収録していますよね。

aya:ドラムに3markets[ ]のmasaton.さん、ベースにさよなら劇場池袋のりょーちゃん、ギターがsumikaの黒田(隼之介)さん。仲良しで気の合う優しい人たちに頼みました。

――ライブでは2人でやっていますが、今後はバンド形式でやりたいとか考えていたりしますか?

aya:シンセサイザーでリズムだけ刻んで、鳴らしてというのもありなのかなって。ライブの仕方は今の形式だけではないなっていうのは思いますね。

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macico

――「MUSIC」はサビに<レコードが針を落とすそんな夜に 僕は忘れていた事思い出すのさ 歌を歌うのさ>というフレーズがありますが、この歌詞にはどういう思いが込められているんですか?

tom:この歌詞で伝えたい“レコード”というのは自分が心から鳴らしたい本当の音楽で、“針”はそれを鳴らすための方法、目的にそれぞれ置き換えています。日本語的にはレコードに針を落とすが普通なんですけど。目的や手段はその後についてくるもので、自分の心からの音楽を歌に出来て初めて針が落ちるというか。なので“レコードが針を落とす“にしました。本来自分がしたいこと、歌いたいことを遠回しにした結果、失敗しちゃった自分を見てきたので。前作のシングル『blue』を通して得たことでもあるんですけど、心の底から音楽を楽しむことだったり、もっと頭じゃなくて体で鳴らそうよ! というようなことを意識して書きました。

――<古い記憶の隅でギターを鳴らすのは誰?>という歌詞もあります。

tom:これは初めてギターを触った時の自分ですね。そういう感覚を忘れている自分を取り戻そうっていう意味でもあります。この曲は僕が音楽そのものと向き合って書いた曲ですね。

――わかりました。「MAKIKO」は会場限定シングル『blue』からのリテイクですが、なぜこの曲を再収録したのですか?

aya:ライブでもたくさん歌ってきて、こうした方がいいっていうのが2人の中で分かったこともあるし、『blue』の時よりもっと進化したものを録れると思ったから、それをいろんな人に聴いて欲しいなと思って。

tom:今回は新たに曲の途中にブレイクを入れていたり、イントロで学校のチャイム音が入っていたりします。「MAKIKO」は学生の歌なんですけど、これも生活に寄り添う上でアルバムに欲しかった曲ですね。いろんな生活の景色が欲しかったので。

macico 1st single blue trailer

――なるほど。「二つ屋根の下」は牧歌的なカントリーソングですね。日向文やハチミツシンドロームの楽曲のイメージからは間逆というか。

aya:私が唯一今作で曲を書いているものです。日向文では歌わなかった雰囲気の曲。

tom:こういうカントリーな曲はやりたかった。

――ayaさんの根底にカントリーソングはあったんですか? ライブやツイキャスではジブリのカバーをやっていたりもしましたね。

tom:「二つ屋根の下」を作る前にカバーをいろいろやってたもんね。そういう中で出来た曲なのかな。

aya:そこから降って来たのかも。私はこういう曲を作りたいって思って作れるタイプじゃなくて。カバーをしている中でそういうのがたくさんインプットされて生まれたのかもしれない。メロディーが先に思いついた。

――「まちあわせ」は夕暮れをイメージさせる鉄琴が入ってますね。

aya:夕暮れのイメージにすごくあうなと思って。

tom:哀愁感があるよね。アコースティックギターと鉄琴って。

aya:歌詞は1番がtomで、2番が私なんです。男性目線で、男女が一緒に住んでいて、喧嘩や揉め事がおきて、男の人が彼女について考えながら遠回りして家に帰っていくっていう情景を歌っているのが1番。2番は彼女が彼を家で待っていて、彼女も彼女なりに彼について考えながら帰りを待っている2番です。待っている側と待たせている側で「まちあわせ」。

――2人の視点で描かれているんですね。「しあわせの雨」については、“雨”って大抵マイナスのイメージで描かれていることが多い印象ですけど、「しあわせの雨」は雨を喜んでいるというか。

tom:そうですね。雨に対して、ポジティブなイメージの曲ってあんまりないなと思って。<明日は上手く行くはず 涙を流せたなら>の歌詞は、涙を流すっていう行為で自分の悲しみを知れるというか、それが実は強さだったり、前向きなことにもなるんじゃないかなってことを歌っています。

――最後の曲「baby blue」は、鍵盤ハーモニカが入っていたり、リズムギターが夏っぽいですよね。いつ頃作ったんですか?

tom:夏の終わりに書いた気がします。これは失恋の歌なんですけど、最後の<さよなら>には凄くポジティブな意味を込めています。別に曲の季節は夏ってわけでもないんです。

――確かに、歌詞に夏らしさはないけど曲は夏っぽいですね。ボーナストラックの「happy birthday」はほかの曲とはテイストが宅録っぽいというか少し違いますよね。

aya:一発録音でラジオから流れている感じを出したくて音質を下げているんです。

tom:元々録る予定はなくて、レコーディングしていく中でボーナス曲が欲しいなと思って、『papa』ににぴったりハマるのが「happy birthday」だったんです。

     
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