「煌めいた言葉はいらない」新進ポップユニット＝macicoが目指す“生活に寄り添う”音楽

「聴いてくれる方に『これもmacicoなの？』って驚かせたい」（tom）

macico

――1月から『papa』の発売を記念としたインストアと全国ツアーが始まります。ツアー初日は下北沢ろくでもない夜で、ジャケットデザインを担当したフクモトエミさんのイベントと、札幌は日向さんの地元のmusica hall cafe、横浜のclub Lizardはtomさんがハチミツを解散した場所です。

aya：札幌のmusica hall cafeは、上京前の最後のライブで1度だけ出演したことがあるすごく素敵な場所なんですよ。雰囲気もmacicoに合うなと思って。

tom：club Lizardは思い出深いすごく好きな場所なんですけど、ハチミツが始まった時から1番お世話になっていて、新しい姿で帰りたいなっていうのがありました。

――ツアーはそれぞれゲストを迎えて行うんですよね。横浜は大柴広己さんとChimaさん。以前観に行かせて頂いたライブの共演者はOlive E CastorとKuhでした。ツアーをまわったりライブをしてきた中で、だんだんと音楽シーンの中でのmacicoの立ち位置が定まってきたという印象があります。

tom：前回のツアーでちょっと見えたね。

aya：日向文とハチミツで、全然違うシーンで活動していたので、最初はどういう人たちとやればいいのかなって悩んでたりもしたんですけど、結局歌を聴いてくれる場所にいればいいのかなっていうのを思いました。大柴さんとか、少し上の世代、先輩の人たちとご一緒させてもらうのも光栄なことだなって。今まで私たちが個々にやって来た音楽は同世代とか、私たちより若い世代の人たちに聴いてもらってたんですけど、macicoは大人になるにつれて分かってくる音楽でもあると思っていて。少し先に行くではないですけど、今まで聴いてくれていた子たちが大人になるにつれてmacicoの音楽が好きになってきてくれたらいいなっていうのもあります。

tom：同世代だと中島孝さんとかチヂマツミキとか。音楽性は違っても、純粋に一緒にやったら面白いことが起きそうだなって直感的に思える人に出会えたのかな。考えていることとか、やっている音楽に対する気持ちに近いものを感じるなと思う人たちに出会えたのは大きいことですね。

――それはいいことですよね。ライブ会場ではさらにシングル『jete』を販売します。macicoの楽曲はほぼ歌い出しがayaさんでしたが、「jete」はtomさんから始まります。

tom：『papa』はayaをボーカルとしてフィーチャーしたものになったので、『jete』は僕も少しくらい歌おうかなって。jeteっていうのはバレエで軽くつま先で飛ぶ表現のことなんです。初めてそれを映像で観た時に感動しちゃって。何かを始める瞬間の覚悟というか。収録した3曲もタイトルにぴったりハマりました。

aya：あとは、シングル全体がフクモトエミさんが開催する個展とリンクしているんです。フクモトさんには『papa』も『jete』もジャケットを担当してもらっていて。

――ツアーではフクモトさんのイベントにも出演しますね。最後にmacicoの今後の展望を教えてください。

tom：音楽的にmacicoで作りたい曲はたくさんありますね。聴いてくれる方に「これもmacicoなの？」って驚かせたい。今作は凄くシンプルなアコースティックのアルバムを作ったけど、次は優しいエレクトロニカ系のアコースティックサウンドとか。ラップもやるかもしれないし。変化を恐れずに音楽を楽しみたいですね。

aya：『jete』に入っている「veranda」は、ビートというか打ち込みの曲で。エレクトロニカ系の方に行っても面白いことが出来るんじゃないかなって思ってます。

――なるほど。合うかもしれないですね。

tom：今、そういう曲を3曲ぐらい作っていて。今回のツアーで少しやっていくかもしれないです。

（取材・文＝渡辺彰浩／写真＝フクモトエミ）

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Veranda - macico
https://soundcloud.com/macico/veranda-macico