A.B.C-Z、Sexy Zone、ジャニーズJr. ……2016年、ジャニーズ若手はどう動く?

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(C)タナカケンイチ

 2015年ジャニーズ総括の対談企画として、前編(V6躍進、TOKIO国分結婚、KAT-TUN田口脱退、JUMP伊野尾人気……2015年の総括と展望は?)に引き続き、ジャニーズ連載を担当している芸能ライターの佐藤結衣さんと高橋梓さんを迎え、じっくり語っていただきました。後編では、嵐以降のデビュー組に今後期待することや、ジャニーズJr.に関する話題も。ジャニーズは「パフォーマンスを生で体感してほしい」と熱弁するお二人に、その魅力についてもお聞きしました。(編集部)

嵐以降のデビュー組に期待すること

ーー前編では、嵐に続くグループとして、関ジャニ∞、Hey! Say! JUMPの名前が挙がりました。嵐以降のグループですが、デビュー順だと、タッキー&翼、NEWS、KAT-TUNといったグループが続きます。

佐藤:こう改めると、王道というよりは少し個性的なグループが多いかもしれません。それぞれが、それぞれのステージで活躍している印象があります。個性的と言えば、もう少し後輩に目を向けると、Kis-My-Ft2の派生ユニット舞祭組とA.B.C-Zの「ジャニーズじゃない感」はすごいですよね(笑)。

高橋:A.B.C-Zはたまにテレビに出ると、いろいろお騒がせしてますが(笑)、舞台での活躍は素晴らしいんですよ。橋本良亮さんは、ドラマ『BAD BOYS J』(日本テレビ系・2013年)で見せたように、ドラマ向きの演技も得意で。ドラマでも今後活躍してほしいです。

佐藤:橋本さんの演技は私も好きですね。年齢的にも若く、伸びしろが期待できます。

高橋:年齢が若くてもフレッシュさがないのがやや欠点ではあって。ジャニーズJr.で活躍してからデビューする流れが多くなってきているので、ファンからすると、デビュー組に新鮮さがないのが、最近のジャニーズの傾向でもありますよね。

佐藤:それはあると思います。そういう意味でいうと、もっとSexy Zoneにもがんばってほしいです。個人的にマリウス葉さんに突破口を見出してほしいと思っていて。ドイツ人のハーフ、母親が宝塚スターという新たなジャンルの存在感があるじゃないですか。

高橋:もはや、マリウス“様”的存在感がありますよね。バラエティでも活躍していますし。

佐藤:あとは、中島健人さんにもう一度『ラブホリ枠』で活躍してもらいたい。

高橋:あれは素晴らしかった。『JMK 中島健人ラブホリ王子様』(日本テレビ系・2013年)という、中島さんがカメラを彼女に見立てて甘い一人芝居をする番組があったんですが、私、毎週見て、中島さんと会話してましたもん(笑)。

佐藤:ファンの間で「中島さんがキテる!」とだいぶ盛り上がりましたが、Sexy Zoneの体制についての一件で打ち消されてしまったのが本当に残念で。メディア的にも彼らのことを扱いづらかった時期はあると思うので、これから改めて注目してほしいです。もしくは、いっそ海外に出てみるとか。地球の裏側、3人だの5人だの言われない世界なら、大いに活躍できるかもしれない。

高橋:海外進出といえば、関ジャニ∞は「海外進出したい」と言っていた時期がありましたよね。

ーー関ジャニ∞は、アーティスト的な活動も増えています。

佐藤:自分たちの立ち上げたレーベルからのリリースですし、そういうことにも挑戦できる環境ではありますよね。『関ジャニ∞クロニクル』(フジテレビ系)で、英語を勉強しているし、ちょうど良いかも。今年は、バンドスタイルで『テレビ朝日ドリームフェスティバル2015』に出演を果たしましたし、今後バンドでの活躍も増えていきそうですね。

ーー音楽イベントへの出演は、ジャニーズファン以外にライブを披露できるいい機会です。

佐藤:そうなんです。ジャニーズの本当の魅力は、生で見て初めてわかると思っていて。ジャニー喜多川さんが舞台を大切にしていることもそうですが、生で見ると「才能と努力の結晶」が詰まっていると感じます。コンサートを見るまで、タレントのようにテレビに出ることがジャニーズだと思っていましたが、全然違うんです。舞台はさらにすごくて、KinKi Kids・堂本光一さんの『SHOCK』や、タッキー&翼・滝沢秀明さんの『滝沢歌舞伎』は、まさに圧巻。『滝沢歌舞伎』では、腹筋をしながら太鼓を叩く“腹筋太鼓”という「筋肉番付」のようなパフォーマンスがあって。あれは本当に多くの方に見てみてほしい。『ジャニーズ・ワールド』では、初年度に出演していたHey! Say! JUMP・薮宏太さんが、演出の水しぶきがすごすぎて、溺れかけるということもあったり(笑)。テレビでしかジャニーズを知らない人たちは、そういう本気の部分を知らないですから、もったいないですよね。ステージの様子が見られる番組があってもいいのになぁと。

高橋:舞台はチケットも高価なので、ファンも大人でないと楽しめなかったり、コンサートもなかなかチケットが取れませんし。「なかなか見れない」ということもアーティストの価値を高める上では大事だと思うのですが、もう少し生のパフォーマンスが身近になってくれたらうれしいです。

ーーファンクラブに入会しないとチケットが取れないなど、全体的な敷居の高さはもちろんありますが、今年は、事務所の公式サイト『Johnny's net』のリニューアルで、メッセージ動画の一部やプロフィールが写真付で公開されるなど、ジャニーズ側のアプローチにも変化が見られました。

佐藤:そうですね。ジャニーズとはいえ、日本国民全員がジャニーズについて詳しいわけではなくて。まだまだ知ってもらったり、興味を持ってもらう努力は必要だと思います。そう意味では、関ジャニ∞・村上さんが「知られていない」ことを定期的にネタにされる『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)は、個人的にも好きな番組です。ジャニーズは、ファンに囲まれた生活をしすぎると井の中の蛙になりがちだと思います。『KAT-TUNの世界一タメになる旅!』(TBS系)のように旅先でおばあちゃん達に「知らないわー」と言われることも大事だなと。

高橋:あの番組でKAT-TUNに好感が持てた方も多いのでは。

佐藤:これまでと違った魅力が引き出せた番組ですよね。ちょっと強面なKAT-TUNをいじるってところがおもしろくて。上田竜也さん、いじっちゃって大丈夫? みたいな。田口さんの脱退で渦中の人となってしまった彼らですが、今後どのような体制になるにせよ、番組はぜひ続けてほしいです。

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