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宮本英夫の日本武道館公演レポート

高橋優が、全身全霊の笑顔で届けた歌の力 『笑う約束』ツアー日本武道館レポート

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 デビュー5周年を記念したベスト・アルバムを引っ提げて臨んだ『笑う約束』ツアーは、<ホール編><アリーナ編>を含め全箇所SOLD OUTという大成功を収め、12月23日の神戸ワールド記念ホールをもって無事に終了した。よりアグレッシヴにより直接的に、たくましさを増した高橋優の姿を見せつけた今回のツアーは、5年間の集大成というよりはここから始まる未来へのスタート地点と言えるものだった。ここでは12月6日に行われた日本武道館2DAYSの二日目、“約束の武道館”と題した公演の模様を、あの大きな空間を埋め尽くした熱気を思い起こしながら振り返ってみよう。

 とにかく冒頭の3曲、「今を駆け抜けて」「(Where’s)THE SILENT MAJORITY?」「陽はまた昇る」の、ラウドロックか?と思うほどに爆音のバンドサウンドにいきなりのけぞる。これまでのツアーよりはるかにデカくパワフルな音像。驚くべきはサウンドよりも高橋優のボーカルがさらにデカく、スクリーンに歌詞の字幕が付くのだが、まったく不要なほど言葉がはっきりと届いて来る。フォークソングのイメージもある高橋優だが、ライブでは完全なロック・シャウターだ。オーディエンスの反応も、ここはフェスか?と思うほど熱狂的で、「パイオニア」の強烈な四つ打ちに合わせて飛びはね、「こどものうた」の激しくたたみ掛けるリリックに大歓声を上げる。「現実という名の怪物と戦う者たち」も、原曲の持つ痛みや鋭さよりもサウンド全体の包容力や共感が強調されて、明るく前向きな応援歌のように聴こえる。四の五の言わせずパワーでねじ伏せるように、前半は圧倒的なパフォーマンスが続く。

 メンバー紹介と軽いジョークを交えたトークをはさんで、空気が少し変わった。後半のヴァイオリン・ソロの艶やかな音色が印象的な「誰がために鐘は鳴る」や、明るく軽やかに弾む「花のように」など、ミディアム・テンポの曲調にほっこり心和んだところで、5周年記念ライブらしく、過去を振り返るドキュメント映像がスクリーンに映し出される。舞台は、約13年前のアマチュア時代にストリートで弾き語りをしていた場所、札幌の狸小路商店街のシャッターの前。続いてアコースティック・ギターを持った弾き語りで3曲歌った中で、特に「誰もいない台所」は圧巻だった。青春期の鬱屈、淋しさ、愛、希望などがないまぜになったナイーヴなこの曲を、泣きながら叫ぶようなド迫力で歌いきった。バンドだろうと弾き語りだろうと、歌のパワーと言葉を届ける強さにまったく変わりがない。ボーカリストとしての自負を見せつけるように激しく歌う高橋優を、オーディエンスは身じろぎもせずに聴いている。

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