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今井美樹の楽曲はなぜ“新鮮で懐かしい”のか? オールタイム・ベスト収録曲の魅力を紐解く

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 デビュー30周年目を迎えた今井美樹が、オールタイム・ベストアルバム『Premium Ivory』をリリースした。「彼女とTIP ON DUO」(1988年)、「PIECE OF MY WISH」(1991年)、「PRIDE」(1996年)といったヒット曲のほか、松任谷由実のカバー集『Dialogue -Miki Imai Sings Yuming Classics-』(2013年)、最新アルバム『Colour』(2015年)からも選曲され、30年のキャリアが網羅された内容に仕上がっている。年代順ではなく、サウンド、歌詞の内容に重点を置いた曲順、レコーディングエンジニア・オノセイゲン(BOΦWY『MORAL』、坂本龍一『音楽図鑑』など)によるリマスタリングによって、楽曲の新たな魅力が引き出されているのも本作の魅力だ。

 1986年にシングル『黄昏のモノローグ』で歌手としてのキャリアをスタートさせた今井美樹。ご存じの通り、当時の彼女はモデル、女優として高い支持を得ていた。飾らない笑顔、シンプルで上質なファッションセンス、すっきりとサバサバした性格。グラビア写真、映像から伝わってくる彼女のイメージは、80年代後半の女性たちの理想のロールモデルだったのだ。

 音楽活動においても、そのイメージはそのまま受け継がれた。もっと言えば「一般の女性たちが彼女に抱く印象を、楽曲のなかにどう落とし込むか?」がデビュー当初のコンセプトだったのではないか。その最初の成果が「彼女とTIP ON DUO」。数多くの今井作品を手がけてきた上田知華の軽やかでポップなメロディ、“別れた恋人に新しいパートナーが出来たらしい”というシチュエーションをあくまでも爽やかに綴った歌詞(作詞は秋元康)、ニューミュージックをおしゃれにバージョンアップさせたアレンジ(編曲は佐藤準)、そして、彼氏への思いを断ち切ろうとする女性を表情豊かに描き出したボーカルがひとつになったこの楽曲は、初期の彼女の音楽性を端的に示している。

今井美樹-PIECE OF MY WISH from“25th Anniversary Concert Tour 2011 LOVE & BLESSINGS~Miki’s Affections~”

 90年代に入ると、大人の雰囲気を感じさせる楽曲にシフトチェンジ。楽曲のキーはおそらく意図的に落とされ、ミディアム、スロウテンポのなかで“女性の生き方”を歌い始める。その方向性を象徴するのは、もちろん1991年発表の「PIECE OF MY WISH」。具体的なシチュエーションを示さず、“やがて闇はかならず開けてゆくから”“信じていて欲しい あなたのことを”とリスナーに対して語りかけるように歌われるこの曲は、バブル崩壊という社会的な状況の影響もあり(筆者の記憶だと1991年を境に景気が悪化し、求人倍率が下がった)、当時の女性たちからの圧倒的な支持を獲得した。「PIECE OF MY WISH」の作詞は岩里祐穂、作曲は上田知華。このソングライティング・チームが「瞳がほほえむから」(1989年)、「Blue Moon Blue」(1992年)など優れた楽曲を数多く生み出していることも記しておきたい。

      

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