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武者良太の音楽ガジェット最前線 第1回

拡大するヘッドフォン市場、今後のトレンドはどうなる? 注目のモデルをレポート

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武者良太
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 去る5月16~17日、中野ブロードウェイにて「春のヘッドフォン祭2015」が開催された。2006年にはじまったハイエンドヘッドホンショウからかぞえて9年。いまや国内のみならず、諸外国からも注目されるポータブルオーディオの祭典となったイベントで、新モデルの発表・試作機のお披露目がなされることも多い。ポータブルプレーヤー、アンプ、ヘッドフォン、イヤフォンの市場傾向をチェックするのに欠かせない場だ。

 Futuresource Consultingが2014年10月に発表したデータによると、2013年度のヘッドフォン・イヤフォン出荷数は2億8600万台、販売総額は84億ドル(1兆円)に達した。ヘッドフォンの市場規模が年々拡大している現在、「春のヘッドフォン祭2015」で見た展示物の中から、今後のトレンドとなりそうなモデルを2つ、ご紹介したい。

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パイオニア SE-MASTER1

 第一に注目したいのがハイエンド市場だ。古くから高級モデルは存在したが、市場が形成されたのは00年代からと考えていいだろう。2005年にリリースされたAKG K701(当時の実勢価格は8~9万円)、2009年に登場したゼンハイザー HD800(同16~17万円)といったモデルなどが注目を集め、これらのモデルをリファレンスとしてモアクオリティなモデルが増えてきた。

 写真のパイオニア SE-MASTER1はこの5月にリリースされたばかりの最新作。6年という開発期間をかけ、K701やHD800と同じように、スピーカーで聴いているかのような広大な音場表現を得意とする。

 ほんのわずかなパーツの共振や付帯音が音質劣化を招くことから、ヘッドパッドスライダーの内部やヘッドバンドなど、ドライバー・ハウジングとは離れた位置にあるパーツすら制震を行うほどの作り込みが窺える。またテンションロッドを交換することで側圧のコントロールも可能。ヘッドフォンはウェアラブルガジェットである以上、サイズの問題が常に存在したが、SE-MASTER1はS/M/Lといった3サイズ的ポジションにセッティングできる。

 なおSE-MASTER1の組み立ては、ハイエンドスピーカーTADシリーズ、そしてハイエンドカーオーディオスピーカーcarrozzeria RSシリーズを生産している東北パイオニアの、たった1人の職人が手作業で行っている。量産効率よりも精度を優先したプロダクツだ。自動巻腕時計のような、工芸品としてのクオリティをメーカーであるパイオニアは重視している。

 開放型という構造上、静かな室内での利用が前提だ。さもないといま聞いている曲を周囲にも伝えてしまうし、雑踏のノイズも耳に入ってしまう。インピーダンスは45Ωとスマートフォンでもドライブできるが、願わくば据え置きのヘッドフォンアンプを自分の部屋に用意し、最もリラックスできる環境で好きな曲に耳を寄せたい。つまるところリビングに据え置いている、フルサイズのホームオーディオをリプレイスできるポテンシャルを持った、インドア用ヘッドフォンというわけだ。

     
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