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レジーのJ-POP鳥瞰図 第1回

クリープハイプとゲスの極み乙女。が提示した、ロックバンドの未来形とは? それぞれの新曲から考察

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「スタジアムロック」と「フェスロック」

 「スタジアムロック」という言葉がある。Wikipediaによると、その定義は「1970年代以降の大会場を中心とした興行、派手に演出されたライブ・パフォーマンス、コマーシャル性の強いロックに対して使われた用語」。この文面からは「やたらとお金がかかった」というような揶揄的なニュアンスを行間から少し感じるが、最近では単に「大会場で映えそうなスケールの大きいロックサウンド」という意味合いで使われている印象がある。

 この「コンサート会場+ロック」という言葉の構造に倣うと、さしずめ今の日本は「フェスロック」の時代と言えるだろうか。ゼロ年代以降の日本のロックの強い影響下にあるバンドサウンドで、BPMは速め。四つ打ちのリズムパターンを多用。フォーカスしているのはその瞬間の盛り上がりとオーディエンスを巻き込んだ一体感。バンドやフェスのロゴが入ったTシャツとタオル、ディッキーズのハーフパンツに代表されるファッションや、曲に合わせての手拍子やサークルモッシュといったアクションなど、ファンの行動様式にも特徴がある。

 フェスというものが2010年代以降のレジャーの一つとして定着して「皆で騒げる・楽しめる」というニーズが前景化し、また音楽マーケットの中でも「人気のバロメータとなる場所」として認知されていく中で、場の盛り上げに特化した「フェスロック」の誕生はある種必然だったのかもしれない。新しいインフラが新しい音楽の形を産み出すのは歴史を振り返っても決して目新しい話ではないが、一方でこういった類の音楽ばかりが注目を集めることに対しては様々な立場から様々な意見が提出されている。たとえばサカナクションの山口一郎は、自身のラジオ番組で若いリスナーに対してこんなメッセージを発している。

 「フェスで人気のあるバンドが受け入れられる時代になってしまっていて、そこへの対応策として四つ打ちのロックが出てきた。自分たちもそうやって対応してきた部分もあるので一概には否定できないが、そういったものばかりになっていくことを危惧している」(2014年11月6日 TOKYO FM 「サカナLOCKS!」より 発言を一部要約)

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