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矢野利裕のジャニーズ批評

TOKIOが20年間貫いたDIY精神 「自作自演の限界」を超え続けたグループ史を辿る

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矢野利裕
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 ここ最近、「TOKIOがすごい!」という声をよく聞く。とくに、『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ系)の反響が大きい。家作りに畑作り、ラーメンを作るとなれば小麦から。アイドルらしからぬDIY精神が好評を博している。

 今年はそんなTOKIOがデビュー20周年を迎えた年である。TOKIOがデビュー曲の「LOVE YOU ONLY」でデビューしたのは1994年だ。この時期は、しばしば「アイドル冬の時代」と呼ばれることがある。女性アイドルを指すことが多いが、1980年代を通じて盛り上がったアイドルシーンがひと段落した時期ということだ。1990年代がなぜ「アイドル冬の時代」なのか、ということについては、ここでは措く。重要なことは、「アイドル冬の時代」と呼ばれる1990年代のとくに前半が、同時に「アーティストの時代」だったということである。

 1990年代という時代は、いかにもアイドルらしくキャラクターを演じるありかたより、自作自演で、等身大で歌うアーティストとしての振る舞いのほうがリアリティを獲得していたように思う。ライターのさやわかは『AKB商法とは何だったのか』(大洋図書)で、1990年代前半の音楽シーンの状況について、「90年代に入ってからこのリアル志向の傾向は加速し、キャラクターを演じる存在であったり「能力がない」とされていたアイドルは、批判の対象になった」と述べる。さやわかが、この時代の「リアル志向」のひとつとして挙げるのは、やはり“自作自演”というありかただ。

 TOKIOがデビューした時期が、このような「アイドル冬の時代」かつ「アーティストの時代」だったことは忘れてはいけない。メンバー自らが楽器演奏するという、TOKIOの本格派ロックバンドとしてのスタイルは、1994年という時期にあって強い説得力を持っていた。「LOVE YOU ONLY」で見過ごしてはならないのは、なにより各メンバーの演奏技術をしっかりと発揮できる作りになっているという点である。誰かにやらされるのではなく、自分たちで演奏し歌うという姿が、アイドルでありながらも、まことに「アーティスト」的だったのだ。メンバー自らが楽器演奏を担うジャニーズのグループとしては、THE GOOD-BYE、男闘呼組という先達がいる。これら先輩グループの系譜を受け継ぎながら、1990年代的な「アーティストの時代」を突っ走っていたのがTOKIOなのである。

     
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