AKB48とジャニーズ、CD売上傾向の違いは? 最新のALチャートから読み解く

2014年06月30日~2014年07月06日のCDアルバム週間ランキング(2014年07月14日付)

 10位圏内に初登場が7枚。残り3枚はクリス・ハート、アナ雪、安室ちゃんと「とにかく万人に愛され、売れ続けているもの」なので、この新着7枚の順位が現在の音楽ファン……というかCD購買層の分布図と考えても良さそうだ。

 1位、Kis-My-Ft2。245,782枚というセールスは、2位のUVERworld、84,810枚とは比べ物にならないレベル。しかし世の中では「あのキスマイなら当然」「これだけ売れてるキスマイだからなぁ」という反応も特にないような。シーンの動向などどこ吹く風で安定の道をいくジャニーズ。逆にいうと、CD購買層の最大派閥であるジャニファンとは、本当に「音楽シーン全体のあれこれ」に関係なく生きている人たちなのでしょう。凄い。

 ちなみに2週間前の宇野さんによるチャート分析によれば、Hey! Say! JUMPのサードは、二年前のセカンドとまったく同じ127,000枚だったという。キスマイはどうかと調べてみれば、一年半前のセカンドは発売初週に約222,000枚。3万ぶんのプラス要因は、映画『ドラえもん』主題歌になった「光のシグナル」か。子どもがハマると一部の母親ももれなくハマる。その人の年齢や環境や趣味嗜好などを一切無視して「突然ハマる」ことがありうる、という現象がジャニーズを筆頭とするアイドルの恐ろしさだと思う。(参考:Hey! Say! JUMPがALチャート1位 その恐るべき安定感と、5者5様の変則的ベスト盤事情

 そして2位以下。UVERworld、小田和正、長渕剛ベスト、浜崎あゆみ、板野友美と続く6位までの並びが興味深い。誰からも愛される国民的良心の小田、安定したコアファンを持つ長渕、かつて時代を象徴したディーバあゆ、今を象徴するアイドルグループから飛び出した板野、などを押さえてロックバンドが2位なのだ。もちろんUVERの人気を考えれば当然かもしれないが、昨今のロックは、いくら雑誌やフェスで話題になろうとも、チャートにおいては「人気アイドルやダンスグループの隙間にちょこっと登場する」マイノリティでしかなかった印象がある。だから板野友美が上位ならわかるのだ。あるいは、ものすごい接戦で枚数を競い合っているのならば。

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